橘玲の世界投資見聞録
2017年3月2日 橘玲

アルゼンチンで左派ポピュリズムが定期的に台頭する理由
[橘玲の世界投資見聞録]

アルゼンチン観光の目玉、イグアスの滝の楽しみ方

 ここでアルゼンチン観光の目玉であるイグアスの滝についても書いておこう。

 北米のナイアガラ、アフリカ南部のビクトリアの滝も訪れたが、「世界三大瀑布」ではイグアスがいちばん印象に残った。

 イグアスの滝はアルゼンチンとブラジルの国境にあるが、滝の8割はアルゼンチン側で、「悪魔の喉笛」と呼ばれる最大の滝つぼをボートで体験する人気のアトラクション「アベントゥラ・ナウティカ」もある。滝の観光拠点はプエルト・イグアスの町で、ブエノスアイレスからは飛行機で2時間ほどだ。町から滝のある国立公園までは20キロほど離れており、バスで往復する。

「悪魔の喉笛」に向かうボート                (Photo:©Alt Invest Com) 

 

 2016年5月からブラジルのビザ申請料金が10400円(日本国内の領事館で申請した場合)に値上げされたため、アルゼンチン側から国境を越えてブラジル側の滝を見にいくのは躊躇されるが、旅行記などを見るかぎり、バスで国境を越えてブラジル側のフォス・ド・イグアスに行くだけならパスポートチェックは行なわれていないようだ(乗客が申し出ないかぎり路線バスは入国管理所に止まらないというが、確かめたわけではない)。

 国立公園のなかに1軒だけ、ホテル(シェラトン・イグアス・リゾート&スパ)がある。料金は私が訪れたときで1泊3万5000円と、プエルト・イグアスの宿泊施設に比べれば割高だが、せっかくなら滝まで歩いていけるこちらに泊まることをお勧めしたい。観光客の来ない早朝なら、イグアスの滝の雄大な景観を独り占めするぜいたくを味わえるからだ。

 イグアスといえば滝つぼへのボートツアーが定番だが、じつはいちばんの魅力は整備された滝めぐりの遊歩道にある。遊歩道は上下2本があり、悪魔の喉笛を正面から眺める下の遊歩道が自撮りスポットとして人気だが、流れ落ちる滝を間近で眺める上の遊歩道の方がずっと面白い。

 周囲に誰ひとりいないなか、身を乗り出せばそのまま滝つぼに落ちていく大瀑布の上に立つという経験はめったにできないから、いい思い出になった。

下の遊歩道の自撮りスポット           (Photo:©Alt Invest Com) 
整備された上の遊歩道。早朝は誰もいない       (Photo:©Alt Invest Com) 
足下で大迫力の滝が流れ落ちていく            (Photo:©Alt Invest Com) 

 プエルト・イグアスの町まで出ればブラジル側に行くバスがあるが、ホテルで車を手配してもらっても、国境を越えてフォス・ド・イグアス空港まで40米ドル(約4400円)だった。ブラジルのビザは事前に五反田駅前の総領事館で取得していたので入国審査もかんたんに済んだ。ブエノスアイレスやプエルト・イグアスでもビザが取れるようだが、日本の領事館と同じ手続きなら、ブラジルから出国する航空券と銀行預金の残高証明が必要になる。

 若い女性がランチに1人で巨大なサーロインステーキを食べているくらい、アルゼンチン人は牛肉の消費量が多い。旅行者がアルゼンチンで必ず訊かれるのは、「ステーキ食べたか?」だ。牛舎で飼育される脂身の多い和牛に比べ、こちらは放牧された赤身の肉で、さっぱりした味で思ったよりたくさん食べられる。

ヒレステーキ。脂身がなくさっぱりした味       (Photo:©Alt Invest Com) 

 

 土産物も当然、革製品。レティーロの繁華街には革のジャンパーなどを扱う店がずらりと並んでいて、その場で採寸して1日で仕立ててくれる。革製品はほとんど持っていないのだが、あまりに安いので思わず1着買ってしまった。

 

 

 

橘 玲(たちばな あきら)

 作家。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ヒット。著書に『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』『橘玲の中国私論』(ダイヤモンド社)『「言ってはいけない 残酷すぎる真実』(新潮新書)など。最新刊は、小説『ダブルマリッジ』(文藝春秋刊)。

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