中南米
2018年5月15日 風間真治

経済危機下で仮想通貨が人気!?
ベネズエラの仮想通貨の現状は?

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カリブ海に浮かぶ小国・ドミニカ共和国に住み、中南米の新興国を舞台に貿易事業を展開する風間真治さん。今回は、深刻な経済危機下で国主導で仮想通貨「ペテロ」を発行したベネズエラで、インフルエンサーのひとりとして活躍するグスタボさんへのインタビューです。

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 前回のレポートでもご紹介したように、南米のベネズエラは、現在深刻な経済危機に陥っている中で、ビットコインをはじめとした仮想通貨に関する様々な報道が行なわれていますが、その実情については、なかなか知る機会がありません。
 
 今回、ベネズエラの仮想通貨業界のインフルエンサーのひとりとして、ミートアップやコミュニティの運営、勉強会の主催などをしているグスタボさんに、お話を伺うことができましたので、ベネズエラの仮想通貨業界はどのようになっているのか、仮想通貨の取引がどのように行なわれているのかなど、生の声をお届けしたいと思います。

グスタボ氏が隔週で主催しているベネズエラのミートアップ【撮影/風間真治】

敷金返金に仮想通貨を望まれて……

風間:グスタボさん、こんにちは。まずは、以前私が経験したベネズエラ人との出来事について、お話しさせてください。私がドミニカ共和国で、ベネズエラ人夫婦に賃貸アパートを貸していたときの話です。

その夫妻が仕事の都合で、本国のベネズエラに急遽帰らねばならなくなりました。その際、アパートの敷金を返金するため、「ベネズエラの銀行口座に送金するから口座を教えてほしい」と頼んだところ、彼らは米ドルの口座を所有していない、といいます。また、ベネズエラが経済制裁をされていることもあり、すぐにベネズエラ国内で米ドルの口座を開くこともできない、とも。それで、どうしようかという話になったのです。

最終的に、彼らが提案してきたのが仮想通貨「LITECOIN(ライトコイン)」での支払いでした。私もたまたまライトコインを所有していましたのでそれで敷金を返金したのですが、ベネズエラでの支払いでライトコインが身近に使われていることに、とても驚きました。実際のところ、どの程度普及しているのでしょうか?

グスタボ:ははは、ライトコインですか。ライトコインも、ビットコインほどではないですが、ベネズエラの仮想通貨の中ではかなり知られてはいますよ。

ベネズエラに限らず、中南米で仮想通貨を所有している人がライトコインを欲しい理由は、おそらく送金や「Localbitcoins.com」を使用する際のコストが安いのが理由だと思います。Localbitcoins.comというのは、仮想通貨と法定通貨を交換したい人たちのマッチングサイトのようなもので、何年も前から世界中で使われているサイトですね。ベネズエラでもポピュラーです。

風間:そういえば、先の話のご夫婦も「受け取ったライトコインはどうするのか?」と聞いたところ、「Localbitcoins.comを使用して、ボリバル通貨や米ドルに替える」というような話をしていました。

ベネズエラでは経済危機でお金がほとんど流通していない状態です。そのような中で、ビットコインが広まり始めているという報道を多く耳にしますが、実際はどうなのでしょうか? Localbitcoins.comで交換する際には、米ドルやボリバル通貨など法定通貨からビットコインなどの仮想通貨を買いたいという人が多いのですか? それとも仮想通貨を所有している人が売りたいという需要のほうが多いのでしょうか?

グスタボ:それはもちろん、ビットコインをはじめとした仮想通貨を買いたいという人が多いです。

Localbitcoins.comのベネズエラの使用状況。2017 年の7月頃から急激に出来高が増えている。