中南米
2018年7月24日 風間真治

コロンビアの「大麻フェア」で垣間見た、
日本とはまったく違う"大麻"との向き合い方

コロンビア・大麻国際フェアレポート

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カリブ海に浮かぶ小国・ドミニカ共和国に住み、中南米の新興国を舞台に貿易事業を展開する風間真治さん。今回は、南米コロンビアで開催された「大麻フェア」についてのレポートです。

 今年6月、「カナダで嗜好用大麻がついに合法となる」というニュースを受けて、ニューヨーク証券取引所に上場している大麻(マリファナ)関連企業銘柄は一斉に値を上げました。
 
 日本に住んでいる方々には、「大麻が合法」ということ自体驚きだと思いますが、ニューヨークの証券取引所に大麻関連企業が上場しているということに、さらに驚かれたのではないでしょうか。
 
 後で詳しく説明しますが、大麻は原料の大麻草に含まれる成分の割合によって、1)医療用、2)嗜好用、3)産業用の3種類に大別されます。カナダは元々医療用大麻を合法としており、世界の大麻市場の中では注目度が高い国でしたが、今回嗜好用大麻も合法化されるということで、株式市場での大麻関連株と言われる銘柄も大きく反応しました。
 
 嗜好用大麻は、米国のカリフォルニアやコロラド、ワシントンをはじめとしたいくつかの州でも既に合法ですし、欧州のオランダなどをはじめ、産業用、医療用大麻の合法化を進めている国は世界的に増えている流れがあります。

 ちなみに私が住んでいる中南米でいうと、2013年に世界で最初に嗜好用大麻を合法化したのがウルグアイ。その後、チリやコロンビア、ペルー、メキシコなど医療用大麻を合法化した国が増えており、市場拡大の動きが見られます。最近では「大麻ビジネス」が政府や事業家、投資家から一般の病気に苦しむ人々まで、注目を集めています。
 
 今回、南米コロンビアで開催された「大麻国際フェア」に参加する機会がありましたので、そのご報告をしてみたいと思います。

大麻フェアで出展されていた大麻草。日本では古くから麻の植物として様々な用途に使われてきた【撮影/風間真治】
【撮影/風間真治】

市をあげて大麻ビジネスを誘致

 今回訪れたのはコロンビアのカリという町の郊外で、市が主催した大規模なフェアです。大麻フェアと聞いて、ヒッピーみたいな人やラッパーなど、ちょっとアウトローな感じの人が集うというイメージを思い浮かべた方は、そのイメージは少し変えたほうがいいかもしれません。
 
 もちろんそのような人たちもいますが、米国や欧州からビジネスや投資チャンスを探して訪れているビジネスマンが中心です。市と組んで南米最大の医療大麻ラボの建設を目論む人たちや、スペインの医療大麻の栽培業者でコロンビアに進出するための視察にきていたビジネスマンもいました。

カナダやスペインからビジネス機会や投資機会を見つけにコロンビアのフェアに 訪れていたファンドマネージャーたち。さすがに彼らは動きが早い【撮影/風間真治】

 主催者側には、カリの市長や政治家たちも参加していて、大麻ビジネスを誘致すべく、この町で展開するメリットなどを宣伝していました。

 医療用大麻の市場は次の10年で飛躍的に伸びるだけでなく、世界中の病気で苦しむ人たちを救うことができるだろうという彼らの言葉を聞くと、日本では絶対的悪とされている大麻の印象も、徐々に変わってくる気がします。
 
 ちなみに医療用大麻の効能は幅広く、ウィキペディアによると、がんやHIV、アルツハイマー、うつ病、不眠症、てんかん、気管支喘息、帯状疱疹、多発性硬化症筋萎縮性側索硬化症、クローン病、パーキンソン病など約250種類の疾患に効果があるとする論文があるそうです。
 
 カリ市長に話を聞いたところ、「現在、世界的に大麻解禁の動きがあるのには、いくつかの理由があるが、とくに政府の歳入ではまかなうことが難しくなっている、世界的な高齢化による医療費の増大に対して、大麻を使用した治療方法が注目されていることも大きい」という話でした。

大麻フェアの主催者と。多くのビジネス機会を創出するために世界から 多くの人をカリに呼び込みたいそう。

 コロンビアは前大統領のフアン・マニュエル・サントス時代に大麻の合法化を進めており、嗜好用大麻は合法ではないものの、医療用大麻の栽培、加工、販売はすでに可能で、筋肉痛向けのクリームや不眠症のためのオイルなども販売されています。さらに来年に向けて、海外への輸出についても、国をあげて整備をしていく方針だそうです。
 
 また、安い労働力に目をつけた、カナダやヨーロッパの投資家や栽培業者のコロンビアの進出は今後も増えることが予想されており、コロンビア政府も彼らの投資を呼び込みたい意向が強いそうです。