中南米
2018年9月3日 風間真治

経済危機が止まらない南米ベネズエラの
水面下で広がる仮想通貨の波

参加者は2000人! DASHの無料配布が大人気

 当日のカンファレンスは、早朝から長蛇の列ができていました。当日来た人にはまずスマートフォンで「DASHウォレット」と呼ばれる携帯財布の作り方をレクチャーされ、その後、全員に米ドルにして約12ドル(約2600円)分のDASHが配布されます。
 
 これは、午後に行なわれる、DASHで買い物体験ができる「DASHシティ」と呼ばれるイベントのために、無償で配っているものですが、現在のベネズエラでは、平均給料が米ドルにして月間2ドル(約220円)弱ほどとなっており、多くのベネズエラ人にとって米ドル換算で12ドルもの通貨DASHをもらえるというのはかなり魅力的です。
 
 DASHシティでの買い物体験がインセンティブとなって、来場している人たちも多いのかなと思いますが、それにしても、午前のカンファレンスと午後のアクティビティを含めて、合計2000人以上もの人が訪れるという熱気ぶりに、このDASHコミュニティの盛り上がりを実感しました。

ホテルで行われたDASHベネズエラのカンファレンス、早朝から長蛇の列【撮影/風間真治】
来場した人全員にDASH通貨が無償で配られた【撮影/風間真治】

 午前のカンファレンスは、500人ほど入るカンファレンスルームで行なわれましたが、ここでは仮想通貨全般の基本的な知識のレクチャーやDASHの歴史などが紹介されていました。仮想通貨のレクチャーでは、「公開鍵」や「秘密鍵」の仕組みなど、重要な技術的知識の説明がある一方、「なぜ今のベネズエラでDASHを使うべきか」という問いに対して、「決済時間がわずか1秒であること」など、便利さを強調していた印象がありました。

 その後は、DASHベネズエラとしての取組みやベネズエラのDASH提携企業や提携店舗の紹介、今後の展望、DASHヘルプセンターの説明など、DASH通貨を使ううえでの様々なサービスを紹介し、充実した内容でした。
 
 実際に私がDASHで支払いをした際も、スマートフォン端末で1秒で処理され、すごく快適でした。この1秒で処理されるという要素は、今後仮想通貨が実際に利用されるかどうかにとって、とても重要な要素だと思います。ちなみに、ビットコインはまだまだ支払いの処理が20分ほどかかるケースがあるため、今後の技術が進むことをこちらも期待したいです。

カンファレンスの様子【撮影/風間真治】

 午前のカンファレンスの後で、特別ということで参加させていただいたのが、ベネズエラ全土に20カ所あるコミュニティの代表者会議です。この日は地区別の代表者、責任者が全員集まり、2018年末までの具体的な目標を話し合っていました。
 
 主なところでは、年末までに1000カ所のDASH通貨決済店舗を設置すること、35社の戦略的提携企業を実現すること、ベネズエラ以外にもDASHベネズエラのコミュニティをあと2カ国広げること(1カ国はお隣のコロンビアですでに実現)、DASHコミュニティの提携企業から輸出事業で持続的に外貨獲得を入手できるような企業を育てること、今後少しずつ自分たちで活動予算を獲得できるような仕組をつくっていくこと、など。利益をあげる仕組については、DASHベネズエラの知名度を使い、ベネズエラの大手企業と提携して宣伝費用を徴収するなど、すでにいくつか実現しています。
 
 話合いはすべて、代表者の投票制で決められており、想像以上に組織化されているのと、今年の目標達成のための予算を獲得するために、クラウドファウンディングで資金を集めていることにも驚きました。

DASHベネズエラの地区別代表会議の様子【撮影/風間真治】