カンボジア
2012年9月18日 木村 文

カンボジアの最貧州でブランド野菜が誕生
山形のNGOの取り組みが現地を支えるビジネスに

朝日新聞のマニラ支局長などを経て2009年に単身カンボジアに移住、現地のフリーペーパー編集長を務めた木村文記者が、日本のNGOの働きかけで始まった、小さな村のブランド野菜生産についてレポート!

日本のNGOが粘り強く取り組んだ事業

 私が初めてカンボジアに来たのは、1993年のことだった。新聞社の山形支局の記者2年生で、夏休みを利用して、山形県のNGOのスタディツアーに参加した。内戦終結から間もないカンボジアには、まだ車はほとんど走っておらず、バイクか、自転車で客を運ぶ「シクロ」が交通の中心だった。プノンペンでさえ主要道しか舗装されておらず、ひとつ角を曲がれば、泥だらけのがたがたの道に難渋した。高層ビルも街灯もネオンもない町だった。

 2009年、フリーランス記者としてこの国で暮らし始めたとき、あのころお世話になった山形の認定特定非営利活動団体「国際ボランティアセンター山形(IVY)」が今もカンボジアで活動をしていると聞いてうれしくなった。

 当時、彼らのように、中央(東京)を通さずに、地方都市から直接、国際交流や国際援助をするという団体はまだ珍しかった。規模は小さく、人材も限られる。でも、自分たちにしかできない支援がある――。IVYが、ベトナム国境の最貧州・スバイリエンで10年以上をかけて粘り強く取り組む野菜農家組合の育成事業には、そんな彼らの心意気を強く感じる。

 そして1999年から始まったこの事業が、今、援助からビジネスへと飛躍しつつある。