カンボジア
2012年11月29日 木村 文

カンボジア、政治の季節へ
フン・セン政権、安泰なのですが……

朝日新聞のマニラ支局長などを経て2009年に単身カンボジアに移住、現地のフリーペーパー編集長を務めた木村文記者が、2013年に行なわれるカンボジアの総選挙についてレポート!

内戦終結後、5回目の総選挙

 各国旗が忙しくひるがえり、首脳・閣僚の移動に伴う道路封鎖で、あちこちに交通渋滞を巻き起こした東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の会議が終わり、プノンペンはようやく落ち着きを取り戻した。そしてカンボジアは、来年2013年7月28日の総選挙に向けて、本格的な「政治の季節」へと突入する。

 カンボジアの総選挙は5年に1度実施される。1993年に行なわれた制憲議会選挙の後、1998年、2003年、2008年と実施され、2013年の選挙は内戦後5回目になる。2008年の総選挙では議席数123のうち、フン・セン首相が属する与党・カンボジア人民党が90議席、野党・サムレンシー党が26議席、人権党が3議席、王党派のフンシンペック党とノロドム・ラナリット党がそれぞれ2議席を獲得した。

 結論から言ってしまうと、2013年の総選挙も、フン・セン首相のカンボジア人民党が勝利し、安定的な政権運営を続けるとの見方が強い。ただし、与党・人民党が「どう勝つか」は、必ずしもフン・セン首相が期待する形ではないかもしれない。

 総選挙の前哨戦とも位置づけられた地方選挙(2012年6月3日に実施)では、「与党圧勝」と報じられながらも、得票率では与党が都市部で弱くなる傾向が見えているからだ。その結果を分析してみよう。

2008年の総選挙時に設置された与党・カンボジア人民党の宣伝看板=プノンペンで【撮影/木村文】