タイ
2013年2月21日 沼舘幹夫

タイに住む日本人が気になっている!
「町にゴミがあふれています。タイ人のゴミに対する感覚を教えて!」

バンコク発ビジネス・生活情報誌『DACO』編集部のタイ人経理部長、ブン(女性)が日タイの架け橋となるべく日本人からの質問に答えます。

読者からの相談:なぜ町にゴミがあふれているのですか?
 地方に住んでいますが、気になっているのが道端のゴミが多いこと。町にはゴミ収集車が回ってきます。住民は家のゴミ箱ごと持ってきて、公共の大きな青いゴミ箱にひっくり返して捨てる。
 催しがあり、たくさん屋台が出ているのにゴミ箱がほとんどない。ポイ捨てをする人が多くなり、また掃除する人がいるからそこらへんに放っておけ、と考えている人の多いこと多いこと。
 タイの家庭では、ゴミはゴミ箱にという躾が代々なされていないのでしょうか。掃除でも、塵取りを使うところは、あまり見かけません。外に掃き出して終わり。ただ、ゴミの置き場所が変わっただけ。
 タイ人のゴミに対する感覚をお伺いしたいと思います。(サクちゃんのママ)


【ブンからの回答】

ゴミを散らかすワケ

 お気持ちお察しします。すべての家が掃除をしていても、ゴミ収集の車が来ても、掃除係りがいてもサクちゃんママさんの家の周りにはゴミがあふれるんですね。

 昔は、いろいろなものをバナナの葉で包んでいましたが、現代はプラスチックで包みます。バナナの葉を留めるために使った爪楊枝のようなものは輪ゴムになりました。手でご飯を食べたのがプラスチックのスプーンに変わり、鍋や水の入れ物も昔のような土器じゃなくなりました。

 昔のゴミは土に埋めるだけで簡単に風化しましたので環境に何の影響も及ぼしません。私たちの先祖がそうやってゴミを処理したから、子孫もそれを見て真似して、現代に至ったのでしょう。

 私が小学校のときに、校長先生がグラウンドに小さなゴミを見つけただけで、全生徒が並ばされ、叱られたことがあって、罰として校内のゴミ拾いをさせられたことがあります。こういうこともあって都会ではゴミ箱に捨てることやゴミ分別、臭わないように袋を結ぶなど新しいゴミの処理の仕方に慣れましたが、田舎にはまだそれが伝わっていません。

どうすればゴミを捨てるか

 さて。「ちゃんとゴミを捨てないのは悪いことなんだよ」といくら説明しても、自分に直接関わりがないと理解しようとしないから効果はないと思います。それより動機づけが大切です。

 発泡スチロール 20個あれば卵1パックと交換できるとか、ペットボトルの空20本で米2kgと交換できるなどのキャンペーンが行なわれていますが効果的です。

 私の案としては満月の日に路上のゴミ集めをして徳を積もうとか、町内のグループでゴミ収集を競い合うとか、ペナルティを課してそれでゴミ箱を買って、市場やお祭りの場などの人の多い場所に設置する。同時にゴミ捨て、ゴミ分別、ゴミによる感染症について知識を与えるというのはどうでしょう。

 現在、バンコクを中心にゴミに関する様々なキャンペーンが行なわれています。「5R 運動(Reduce、Reuse、Repair、Recycle、Reject)」やゴミを見つけよう運動の「MAGICEYESキャンペーン」、リサイクルをすすめる「私はゴミじゃないよキャンペーン」などがあります。

 今はまだはっきりと効果が見えなくても、私たちの子孫に「あのときになんで何もしなかった?」と言われないだろうと思うので、まぁ、ひと安心です。

2006年暮れに起こった爆弾テロの影響で、繁華街にある公共のゴミ箱は半透明のビニールになった。【撮影/『DACO』編集部】

(文・撮影/『DACO』編集部)