フィリピン
2013年6月3日 志賀和民

フィリピン、夜の路上に出没する
サンパギータ売りの少女たち

シンジケートが暗躍するフィリピンの現実

 マカティでも、カラオケの外の路上でバラを手にした少女が待っている。1本10ペソ(約25円)くらいで仕入れたものを100ペソ(約250円)で売っている。

 カラオケ店で指名するGRO(Guest Relations Officerすなわちホステス)にプレゼントしてやりたいところだが、このバラ売りの少女たちもシンジケートに組み込まれているという。同伴したGROも黙っているだけで、花を買ってやるよう勧めない。

パソンタモのカラオケの前でバラの花を売る少女。皆可愛い顔立ちをしている【撮影/志賀和民】

 エルミタやマカティ・アベニューの繁華街には日中、乳飲み子を抱いてお金をねだるイタ(原住民族のひとつ)のおばさんがいる。哀れそうなやせた顔と眠りこける赤ん坊で同情を引く作戦だが、彼女らもシンジケートの一員だという。

 どこからか調達されてきた赤ん坊は猛暑の中でも眠りこけているが、薬物で眠らされているらしい。彼女らにお金を与えることもシンジケートを潤すだけで、犠牲となる赤ん坊を増やすだけだと注意された。

『課長 島耕作』だったと記憶しているが、インドの子どもたちが観光客の同情を引くためにシンジケートに腕を切り落とされようとする場面で、島耕作がその子を買い取るという話があった。残念なことに、それに近い状況がフィリピンにもあるようだ。

こちらはプエルトガレラのホワイトビーチで手編みのブレスレッドを売る少女【撮影/志賀和民】
キアポやデビソリアでよく見かける買い物袋を売る子どもたち。彼らは親の商売の手伝いをしているにちがいない【撮影/志賀和民】

(文・撮影/志賀和民)

著者紹介:志賀和民(シガカズタミ)
東京出身。東北大学大学院修了後、日揮(株)入社。シンガポールにをかわきりに海外勤務を歴任。1989年日揮関連会社社長に就任しフィリピンに移住。2007年4月PASCO(サロン・デ・パスコ)取締役。