フィリピン
2014年10月9日 志賀和民

フィリピンの役人は「公僕」ではなく、市民を支配するボス?
無犯罪証明の認証手続きに右往左往

次の難題はフィリピン外務省

 次にこの無犯罪証明書をフィリピン外務省(DFA)に持って行って認証してもらわなければならない。これが今回のトピックだ。

 Sさんの書類に簡単な委任状(Authorization Letter)をつけてDFAに提出して認証を依頼し、翌日取りに行くと、「ルールが変わってAuthorization Letterではもはや受け付けることはできない。正式な委任状(SPA、Special Power of Attorney)が必要だ」と言い出したのだ。

 ならばSPAの後出しでよかろうと、SさんからはSPAにサインをしてもらい、公証したうえでDFAに提出した。そうしたら外務省の役人は、「今回の申請はSPAなしで申請したのだから、あとからSPAを提出してもだめだ。本人が出頭しなければ書類を渡せない」と言い張る。

 政府とケンカしても始まらないので、PRAに協力を要請した。PRAも退職者のDFAへ認証申請を代行しているので、その流れで政府間で処理してもらおうと考えたのだ。しかしPRAは手続きの最初に申請者のリストを提出しており、それに名前が載っていないかぎり受け取りは無理だという。

 万策尽きて、Sさんにはクラークからおいでいただくことになった。認証申請の代行を請け負っている当方としてはまさに敗北だ。Sさんは文句も言わずに快く申し入れを受けてくれたが、癪に障るのはDFAだ。突如としてルールを変えて、それがあたかもこちらの不備のように、本人の出頭を要求するというのは理にかなわない。Sさんはフィリピンにいたから良いものの、すでに海外に移動していたらどうしようもない。