フィリピン
2014年10月24日 

フィリピン在住の退職者が死んでしまったら、どのような手続きが必要なのか(2)
相続手続き「預金を銀行に残して死ぬな」

フィリピン在住17年。元・フィリピン退職庁(PRA)ジャパンデスクで、現在は「退職者の ためのなんでも相談所」を運営する志賀さんのフィリピンレポート。今回のテーマは、海外で生活している親族が死亡した場合の相続手続きの複雑さとポイントは?

 フィリピンで充実した余生を過ごしていた退職者にも、いずれは最期の時が訪れる。そのときにどのような準備と心構えが必要なのか。

 今回は、ほとんどの人が未経験の、海外で生活している親族が死亡した場合の相続手続きについて、私の経験から問題点をまとめてみた。

【参考記事】 フィリピン在住の退職者が死んでしまったら、どのような手続きが必要なのか(1) 入院から死亡まで

 ここで例に挙げるのは、大きな資産を残して亡くなった退職者のケースだ。

 死亡直後から相続人の協力を得て手続きを開始したのだが、けっきょく、相続財産の支払いが可能になるまで1年以上かかってしまった。その間、関係した人たちの手間と費用も馬鹿にならない。なぜこんな面倒なことになってしまうのか。

 結論からいうと、銀行としても、フィリピン在住の外国人が遺産を残し、相続人が海外に在住する兄弟姉妹あるいはその子どもという状況を経験したことがなく、相続手続きに必要な要件をタイミングよく示すことができなかったこと、外国(日本)で作成される書類にはすべてフィリピン大使館の認証が必要であることなどのため、このような長期に渡ってしまったといえる。

 フィリピンの銀行に残された遺産を相続する手続きは大まかにいって下記となる。基本的には日本と大差がないが、遺産を残した個人が外国人で、相続人が外国に居住する外国人であるということが、書類の準備を大変難しいものにしている。

1. 遺産分割協議書(Extrajudicial Settlement)と銀行免責保証書(Quit Claim)を法定相続人全員で署名し、公証する

2. 上記に署名したものが法定相続人であるとともに、他に相続人がいないことの証明書(出生証明、婚姻証明、死亡証明等)の準備

3.上記協議書を新聞に掲載・公告する

4. 銀行残高証明に基づき税務署へ相続税を支払う

5. 2年間の相続凍結を免除するための保証会社にボンド(保証金)を積む

6. 上記書類を銀行等に提出して遺産を引き出す