橘玲の日々刻々
2014年11月17日 橘玲

成長戦略の目玉は
「カジノ」よりも「大麻特区」で
[橘玲の日々刻々]

 カジノを含む統合型リゾート(IR)の立地促進をめざす「カジノ法案」が国会に提出されました。安倍首相は「成長戦略の目玉」と力を入れていますが、「ギャンブル依存症を増やすだけ」との反対論もあります。「政治とカネ」の問題で法案の成立が不透明になっているようですが(その後、自民党が成立を断念)、この問題をどのように考えればいいのでしょうか。

 誰もが知っているように、日本ではすでにさまざまなギャンブルが行なわれています。

 期待値が50%の(賭け金の半分しか当選金に分配されない)宝くじやサッカーくじは、最高額を7億円や10億円に引き上げて射幸心を煽っています。ジャンボ宝くじで7億円が当たる確率は1000万分の1以下で、交通事故で死ぬ確率(3万人に1人)よりはるかに低く、宝くじを買いつづけるとほとんどのひとは大損します。賭け金の25%が問答無用で差し引かれる競馬や競輪、オートレースなどの公営賭博も同じで、法によって国家が事業を独占し、確実にボロ儲けできることから「愚か者に課せられた税金」と呼ばれています。

 日本におけるもうひとつの代表的なギャンブルはパチンコ・パチスロですが、スロットマシンと同じゲームであるにもかかわらず賭博とは見なされません。これは景品交換を店外で行なう脱法行為(三店方式)が容認されているからで、その代わりパチンコ業界は警察庁から多数の天下りを受け入れています。もっともパチンコの期待値は98%程度とされており、宝くじや公営賭博に比べればはるかに“良心的”です。