中国
2015年1月19日 大橋史彦

各方面に影響を及ぼす上海転倒事故の余波

全国の観光地に入場規制

 事故後、習近平国家主席がすかさず対応を指示するなど、事態を重く見た政府は、観光地に入場数制限を設けるなどして規制を強化している。

 中国国家旅遊(観光)局は1月5日、観光地の最大収容人数に関するガイドラインを公布した。それによれば、観光地のカテゴリーごとに定められた数値を基に最大収容人数を算出し、入場者数が80%に達した場合、公表するとともに、管轄の地方政府に報告。応急措置を取ると同時に、入場券の販売を中止しなければならない。

 たとえば、北京の万里の長城なら1人当りの空間を最低1~1.1平米、故宮博物館なら0.8~3平米と定められているが、それを基に最大収容人数が算出されるわけだ。

 広い中国では、こうした通達が各地で徹底されるわけではないが、国民の目もあるので、今年いっぱいは実行されるのではないだろうか。そうすると、観光地への影響は少なくない。

 人気観光地では警備が増員され、人件費は上昇。そのうえ入場者数を制限せざるをえないとなると、収益は落ちることになる。ただでさえ高い入場料が、値上げされることもありうる。

今回の事故が発生する以前から外灘とは違い、北京の観光地・故宮博物館周辺の警備は厳重。天安門広場に陳情に訪れても、衣服に書かれた内容が人目に触れる間もなく警察官に連行される【撮影/大橋史彦】