中国
2016年1月26日 金 伸行

「爆買い」はもう終わる!?
中国地方政府高官の発言から読み解く衝撃の事実

 中国の地方政府高官は、日系百貨店の社長になにを伝えようとしたのか。この話を私なりに読み解くと、次のようになります。

●中国政府は、中国人の国外(とくに日本)における過剰な消費を快く思っていない。

●その主な理由は、本来中国国内で発生しなければいけなかった消費が失われ、そのほとんどが国外で発生していることだ。

●これが中国のGDPを押し下げる要因の1つになっており、政府としては面白くない。

●したがって、中国政府は中国人が爆買いしないようにするために知恵を絞っている。

●その具体策として考えられるのは、(1)日本における爆買い低減策、(2)中国国内の消費刺激策だ。

●(1)は、日本からの帰国時荷物検査を厳しくしたり、日本における銀聯カードのキャッシング額の制限及び使用額制限をかけることが考えられる。

●(2)は、日本をはじめとした諸外国からの輸入関税を引き下げ、中国国内における消費を健全なレベルに押し上げることが検討されている。

 中国に11年も住むことになった私の経験からしても、この2~3年は中国国内の物価が高いと思うようになり、ふと気づくと、食事以外の消費は中国国内ではほとんどしないし、必要なものは日本に帰って買う習慣がついていました。

 中国への航空便は23キロまでの荷物を2つ預けられることから、結構な買い物をしても無料で持ち帰ることができるのです。

 書きながら思いましたが、この「23キロを2つ」というルールを撤廃すれば、中国人の日本における爆買いが半分近くに減るほどのインパクトがあるかもしれません(ああ、中国政府、それだけはやめてください)。

 外国人である私も、現地に住む中国人も、中国での物価の高さや国内でものを買うバカバカしさを訴えはじめてはや2年。知識のない消費者だけが国内で消費を続けるおかしさを見るにつけ、おそらく上記の施策を今年の早いタイミングでやってくると思います。

 中国政府が市場に介入するスピードはわれわれの常識を超えたものがあります。爆買いの恩恵を享受する日本企業にとっては大変な注意が必要となることをまずはお伝えして、本年最初のコラムといたします。

 当たるかどうか、見ていてください。

(文/金伸行、成都の従業員が帰った後の静かなオフィスにて)

著者紹介:金伸行(きむ・のぶゆき)
お金儲けの神様「邱永漢」人生最後の弟子。2005年より中国四川省成都に在住、日本生まれの韓国人。グループ会社3社の社長兼取締役。主な事業は、焼肉 を中心としたフードサービス。5カ国語を話し、前職は世界最古の戦略コンサルティングファームADLにてコンサルタント。現在は、アジア最高の焼肉チェー ンを作るため、年間100フライト及び肉食400食をこなしつつ、マラソンで体を絞っている。