中国
2016年2月5日 大橋史彦

今年も爆買いは続くのか?
春節がひとつの試金石に

2006年に中国に移住し、蘇州、北京、広州、そして08年からは上海に在住。情報誌の編集長を経て現在はフリーランスとして活躍する大橋さんの中国レポート。昨年の流行語にもなった中国人観光客による「爆買い」は今年も続くのか? 諸説あるなか、大橋さんはさらなるマーケティングの必要性を指摘する。

旧正月中に約600万人が海外旅行へ

 2015年の国内総生産(GDP)が前年比6.9%増と発表され、その伸びがいっそう鈍化したことにより(といっても十分高い数値だと思うのだが)、中国経済の先行きが懸念されるなか、日本では中国人観光客による爆買いがいつまで続くかへの関心が高まっている。

 間もなく迎える旧正月連休(2月7日~13日)が試金石となりそうだが、大手旅行サイト「携程(Ctrip)」は1月14日に発表したレポートで、同期間中に約600万人が海外旅行に出かけると予想している。昨年が518万2000人だったので、15%以上の増加である。通年でも、前年比8%増の1億2600万人に達するという報道もある。

 海外旅行客数の増加は、中国国内旅行の魅力低下も影響しているように思う。中国では、国内旅行にかかる費用がけっして安くない。有名観光地は入場料が高額だし、年間を通じて祝日が少ないために、連休中はどの観光地もひとが殺到し、航空運賃や宿泊代も高騰する。海外の近場に行くのとコスト的には大きく変わらず、格安航空会社(LCC)の路線拡大により海外旅行は庶民にも手の届く存在になってきた。

中国最大のLCC、春秋航空が就航する茨城空港は、中国人であふれかえっている【撮影/大橋史彦】

各国が狙う中国人観光客

 Ctripのレポートでは人気海外旅行先が挙げられているが、日本は韓国を抜いて2位にランクインしている。

1位 タイ
2位 日本
3位 韓国
4位 台湾
5位 シンガポール
6位 香港
7位 米国
8位 インドネシア
9位 マレーシア
10位 オーストラリア

 だからと言って、中国人の訪日観光が今年も安泰かというと、そうとは限らない。昨年、爆発的に増えたのは外部要因によるところも大きいからだ。

人気旅行先のひとつである台湾。台北桃園空港で記念撮影をする中国人観光客【撮影/大橋史彦】