世界に名をはせる日本の工業製品のクオリティを原料・材料調達の側面から支える化学系商社。新たな基軸で変革を進める稲畑産業の成長戦略を稲畑勝太郎 代表取締役社長が語る。 

inabata1稲畑産業 稲畑勝太郎 代表取締役社長
1984年3月、早稲田大学政治経済学部卒業。89年1月、稲畑産業入社。95年6月に取締役、97年6月に常務取締役、2005年4月に取締役専務執行役員にそれぞれ就任し、同年12月より現職。大阪商工会議所議員、大阪日仏協会会長、大阪日本ポルトガル協会会長、ポルトガル共和国名誉領事などを務める。創業者・稲畑勝太郎の曽孫に当たる。

 1890年、京都で合成染料の輸入販売から事業を始め、今年で創業126年を迎えました。創業者の稲畑勝太郎は、15歳のときに京都府派遣留学生として渡仏し、当時最先端の染料技術と合成染料を日本に広め、事業基盤を確立しました。

 当社はその進取の精神や、創業者が掲げた「愛」「敬」という人間尊重の精神を脈々と受け継ぎながら、ケミカル事業を中心に、電子材料やプラスチック、医薬原料、食品、住宅関連資材などの分野にも事業領域を拡大してきました。

 現在は情報電子分野、合成樹脂(プラスチック)分野を事業の2本柱とし、環境エネルギー分野の育成にも積極的に取り組んでいます。

 事業領域を広げる道のりは、市場開発や製造・加工、物流、ファイナンスなど商社としての多様な機能を培う過程でもあり、これらを有機的に組み合わせ、駆使することで多くのお客さまを支援してまいりました。

 現在の海外拠点は18カ国60拠点余に及び、連結売上高の5割超を海外事業が占めています。そこで、外国人社員にも共通の価値観や行動規範を持ってもらうため、創業120周年を機に「IK-Values」を制定し、その浸透に注力しています。

 今後も、お客さまや社会のニーズに応え、継続的な企業価値の向上を目指していく所存です。


※現社長の曽祖父に当たる