一口に腕時計と言っても、その世界は実に幅広く奥深い。そこで、機能に関する専門用語から最新トレンドに至るまで、知識が豊かになり、実際の時計選びに役立つポイントを分かりやすく解説するのがこの“強化書”。知るほどに興味が湧き、魅力のとりこになるのが腕時計。自分に合った価値ある一本をぜひ見つけてほしい。


次代に受け継がれる一生モノを入手すべし!

生涯愛用できて次世代にも受け渡せる
そんな腕時計こそが本物の一生モノ。
重要なのはシンプルな機能と卓越した品質。

見極めるポイントは
タイムレスということ

 親の愛用品を譲り受けた経験がある人は少なくないはず。では、自分がその立場になったとき、どんな腕時計を贈ることができるだろうか。子に受け渡すにふさわしいとなると、自分が愛着を持って使い続けた宝物、つまりは「一生モノ」になるのではないか。

 「一生モノ」の腕時計として理想的なのは、デザインはクラシカルで、機能は時刻表示のみのシンプルなものとなろう。生涯の愛用のみならず、次世代にとっても違和感なく使えることを考えれば、まずデザインは流行に左右されず、ムーブメントには長期の使用に耐える品質が備わり、修理しやすいといった諸条件が求められるからだ。こうした理想に沿った一生モノの腕時計は、時代や流行を超越するという意味で「タイムレスな存在」と呼べるだろう。実際に機械式の寿命は非常に長く、適切なメンテナンスを施せば、人の一生を優に超えて使える。品質管理や補修部品は保存が徹底している自社一貫製造の製品を手に入れるとなお安心だ。

 

行動派ビジネスパーソンにはクロノグラフ、GMTが似合う。

クロノグラフで計測、GMTで複数の時刻を把握。
機能を操り、アクティブに行動してこそ
時間管理のエキスパートだ。

実用的な複雑機能を
積極的に活用する

 腕時計の複雑機能は飾りではないから、有効に活用しなくては意味がない。スポーツウオッチに多く見られる「クロノグラフ」とは、ストップウオッチ機能を併せ持つ時計全般を指し、その機能は経過時間の計測と記録にある。一般的に計測のスタートとストップ、そしてリセットを行う操作ボタンが備わり、専用のクロノグラフ針でまず秒数を測り、サブダイヤルで分数や時間数を積算表示する。この機能を何に利用するかは本人のアイデア次第だ。

 海外出張で役立つ機能に「​G​M​T​」がある。時差に合わせて調整すれば、旅先での現地時刻と日本の時刻が同時に読み取れる便利な機能である。海外でさらに便利なのは「ワールドタイム」と呼ばれる機能だ。その名のごとく、世界の主要都市の時刻が自動的に表示される賢い仕組みになっており、時差を超えて都市から都市へと移動を続けるような旅には大いに重宝する。複数の時刻を把握しながら行動するビジネストリップには手放せなくなるだろう。