OJT(On the Job Training)が再活性化し、職場での学びが若手社員の成長を促すようになるためには、どうすればいいか。それには、優れたOJTリーダーの調査に基づく、「育て上手な上司・先輩の指導行動」を知ることが役に立ちます。今回は、優れたOJTリーダーのCHECK―ACTIONについて。「評価」と「学びの抽出 次期目標設定」という2つの段階でのセオリーです。

成長イメージのズレを防ぐ
CHECK(評価)の重要性

 優れたOJTリーダーの指導を行動をPDCAサイクルにあてはめて分類・整理してきましたが、前回のPLAN-DOのセオリーに続いて、CHECK-ACTIONについて見ていきます。

 忙しい業務の中で、ともするとDOばかりに関心が集中しがちなのが、私たちの日常かもしれません。もちろん、誰しもそれでいいと思っているわけではなく、また、善きPLANがあり、なおかつDOに対する振り返りであるCHECKとACTIONがなければ業務のクオリティがなかなか向上しないことは、経験的に理解できることです。

 OJTにおけるCHECK-ACTIONの重要性も、それと同じでしょう。

 とりわけ、CHECK(評価)は若手人材の成長のためには、もっともカギを握るファクターかもしれません。

 私たちと、神戸大学大学院の松尾睦教授との調査では、CHECKについては、「日常業務で成長した部分をフィードバックする」、「現状に満足させず、目指す人材にどこまで近づけたかのか、成長度合いを伝える」という2項目が、優れたOJTリーダーの行動として抽出されました。

 若手がイメージする自分自身の成長度と、上司である私たちが彼(女)たちに見出す実際の成長度には、しばしばズレが生じます。