マンションを購入して住み始めたものの、管理組合の会合や隣近所とのコミュニケーションなどに頭を悩ませる人は少なくない。特にマンション管理においては、マンションの資産価値を左右する「長期修繕計画」や「修繕積立金」に関する問題は重要だ。マンション管理における課題を整理し、マンション管理会社に求められる役割を考えてみる。

「マンションは管理を買え」というのはよくいわれるフレーズだ。そのままに受け取れば「しっかり管理の行き届いたマンションを選ぶべき」という意味に思える。

 ただしこの場合の「管理」は、ゴミ置き場やエントランスがきれいに清掃されているといった、見た目の部分だけを指しているのではない。じつは目に見えない部分にこそ、資産価値を維持するためのマンション管理の本質がある。

適切な修繕計画で
資産価値の維持を図る

 特に重要になるのが、外壁や給配水設備、エレベータなどの維持・管理を定めた長期修繕計画だ。老朽化した設備を修繕することは住み心地だけでなく、マンションの資産価値を維持するうえでも欠かせない。そしてその修繕のために毎月各戸で負担するのが、修繕積立金だ。国交省の調査によると、1戸当たりの修繕積立金の平均月額は1万898円で、この金額は調査のたびに上昇している(図)。

月/戸当たり修繕積立金の額
「平成20年度マンション総合調査」国土交通省より