ツインリンクもてぎ敷地内の「第2アクティブセーフティパーク」に8台のステップワゴンModulo Xが集結。一般ファミリー向けの試乗会が開催された

ミニバンの試乗会なのに
サーキット?

 暮れも押し迫った2016年12月のある週末、ホンダ製自動車の一般ドライバー向け試乗会『Feel Modulo X 2016』が、栃木県のサーキット「ツインリンクもてぎ」で開催された。

 サーキットでの試乗会というと、スポーツカーを想像されるかもしれない。だが、今回準備されていたのはミニバンのステップワゴンをベースにカスタマイズされたコンプリートカー「ステップワゴンModulo X」だ。さらに試乗会の参加者も、ほとんどが子連れのファミリー中心というアットホームな雰囲気。一風変わった試乗会だった。

 この試乗会を主催したのは、ホンダの純正アクセサリーや車両のパーツを開発販売する「ホンダアクセス」。「Modulo」(モデューロ)というブランド名でカスタマイズパーツを販売しているが、ホンダの新車に自社パーツをライン装着し、通常の車両と同じように販売する「純正コンプリートカー」を「Modulo X」のブランドで販売している。

 これまで「Modulo X」は、ホンダの「N-ONE」「N-BOX」という、どちらも軽自動車をベースにしたモデルを発売してきた。これに3車種目として、ミニバンのステップワゴンModulo Xが加わった。

 ベース車のステップワゴンは、初代モデルが登場したのが1996年で、当時存在しなかった5ナンバーサイズの寸法をフルに使い切ったボックス型の乗用車としてファミリー層から絶大な支持を集めた。その後トヨタや日産などの主要メーカーも対抗車種を続々投入して、今ではこの「四角いミニバン」はすっかり当たり前のジャンルとなったが、その先鞭をつけたイノベーティブな車が、ステップワゴンなのである。

 現行のステップワゴンは2015年にモデルチェンジした車種で、最大の特徴はリアゲートが縦にも横にも開閉できる「わくわくゲート」だ。多様化するミニバンの使い方に対応したオリジナルの機能である。

「ステップワゴン Modulo X」は、ホンダアクセスがその現行ステップワゴンをベースにして、専用開発のサスペンションを装備、さらに空力性能を追求したエアロバンパーやディフューザー、アルミホイール、内装の素材などをカスタマイズしたモデルだ。

 内外装に特別な装備が盛られているにもかかわらず、価格は9インチ大画面カーナビゲーションやドラレコ、ETC車載器等も含めて標準のモデルから約66万円アップに抑えられている。また、全国のホンダのディーラーで購入することができ、整備を受ける際も特別な配慮が不要なことも“純正コンプリートカー”ならではの利点だ。

ステップワゴンの機能的な特徴は、家のドアのように横に開くだけでなく、ゲート全体が大きく上にも開く「わくわくゲート」だ