在庫を抱える売り手と買い手が匿名で取引できる「M−マッチングシステム」を開発したマッチングワールド。ゲーム業界を中心に活発な取引が行われているが、今春からインバウンド旅行者向けの情報発信と地方の名産品を販売するサイトを新たに構築。「誘客」と「物販」を通じて地方創生に貢献できるシステムをスタートさせようとしている。

 マッチングワールドの事業のコアとなっている「M−マッチングシステム」とは、店舗、流通、メーカーなどで、余分に抱えてしまった在庫をシステム上に掲載することで、売り手・買い手が、双方共に匿名で売買できるBtoBtoCシステムのことだ。

 簡単に言えば、抱えた在庫を売りたい業者と、その在庫を買いたい業者を、匿名のままマッチングする(結び付ける)システムである。

掲載企業は
自分の売りたい金額で掲載、販売

マッチングワールド
町田 博 代表取締役社長

 マッチングワールド・町田博社長は「M−マッチングシステム」の利点をこう説明する。

 「通常、余剰商品を持っている企業が、流通業者などに買い取りを依頼した場合、在庫リスク分だけ安い価格での買い取りとなります。当社のシステムでは、掲載企業が自分で売りたい金額で掲載、販売することができるので、相場の状況さえ読み間違えなければ、損失を最小に抑えて売却することが可能になるのです」

 特徴的なのは、買い手と売り手の双方による直接取引は一切なく、マッチングワールドとの相対取引で行われること。売買が成立した場合、掲載企業は一度同社に商品を納入し、同社で仕分け検品を行った後に、同社から購入企業へ発送される。代金決済も全て掲載企業と同社の間で行われるため、双方の匿名性が担保される。

 現在、同社が取り扱う主な商品は、ゲームソフトやフィギュアなどのアミューズメント商品。同社の収益は、売買成立時に売り手側から、販売価格の10%の手数料。仲介の手数料や、会費による課金、サイトに表示される広告収入などは一切ない。