厚生労働省の発表によると日本人の平均寿命は、男性79.59歳、女性86.44歳(2009年)。健康で生活できる期間も延びており、セカンドライフに対するライフプランの構築はもはや必要不可欠といえる。そのなかでも、シニア時代を安心・安全に過ごすための住まいが重要になる。生き生きとしたセカンドライフを送るためには、どのようなプランが必要なのか。ファイナンシャル・プランナーの岡本典子さんに聞いた。

起こりうることを想定し
さまざまなケースのラストプランニングを

 セカンドライフを豊かに過ごすには三つの要素があると岡本さんは言う。「体の健康」「心の健康」「お金の健康」の三つである。

 体の健康とは、文字どおり病気をせず健康でいられること。心の健康とは、生きがいをもって生活し、心が満たされていること。お金の健康とは、安心安全な晩年の住まいを確保し、自分らしい暮らしを持続できること。「そのためには、元気なうちにライフプランを考え、準備をしておく必要があります」と岡本さん。

 あらかじめプランを作っておく理由は、「変化は突然やって来るから」である。

「たとえば突然脳梗塞で倒れると、自分の思い描いていた老後を送れなくなってしまいます。介護が必要になったら、自分ではこんな施設で面倒を見てもらいたいと思っていても、自力で探して契約できる状態ではなく、時には本意でない施設に入らなければならなくなるケースもあります。判断能力のあるうちに、起こりうるさまざまなケースを想定し、数パターンのラストプランニングを描いておくことをお勧めします」と岡本さんはアドバイスする。