知名度の低い地方企業が採用に勝つためにすべき3つのこと

自社の「位置付け」を徹底的に考える

 第1回では、筆者が採用担当として着任した新潟県に本社を置く三幸製菓での状況をお話しました。着任当初、採用業務含めほぼ“ひとり人事部”、予算は雀の涙、学生エントリー数は、競合が数万単位だというところ、2ケタが違う300名程度、といった状態。いわば、カネなしヒトなし認知度なし、からのスタートです。

 当時の三幸製菓は「菓子メーカー」であるということ以外は何も学生に印象がない状況でした。企業規模はおろか、新潟に本社があること、どんなお菓子を販売しているかすらも知られていない、いわば“無色透明”の状態でした。

 こうした、知名度の低い企業にとって大事なことは「いかに自社を学生に無色透明の状態から強烈に印象づけるか」。このときに私が行なったのが「ポジショニング発想」です。

 どうにかして、無色透明の自社イメージに強烈な印象を刻みたい。そう考えた私は人事部でありながら、ブランディングを専門に考える部署であるマーケティング担当者に相談してみました。すると次のようなアドバイスが返ってきました。

「杉浦さん、ブランディングに関連する概念で大事なことはポジショニングです。ポジショニングとはつまり『自社をどのように位置づけるか』。それによって、どのように顧客に認知してもらうか、ということが大事です。競合他社と違って、三幸製菓をどのように学生に認知してもらいたいか、そこをまず考えてみたらどうでしょう?」

 このアドバイスをもとに、私はさっそくマーケティング戦略における「ポジショニング」の本を数冊買い込んで読み込んでみました。