長野県飯山で生まれる
マウスコンピューター

 「期待を超えるコンピューター。」をコーポレートメッセージに掲げ、国内BTOパソコンの先駆者として成長を続ける、株式会社マウスコンピューター。BTOとは「Build To Order」の略で、注文を受けてから製品を生産する「受注生産」を意味している。

 代表的ブランド「mouse」や法人向けの「MousePro」など、さまざまなブランドを抱える同社だが、それらの開発から製造、出荷までを行う生産拠点の中核となっているのが、長野県飯山市にある飯山工場だ。生産拠点を海外に求める流れがある中で、マウスコンピューターは国内生産による信頼感を「飯山TRUST」という言葉に込め、昨年のブランド名変更とともに打ち出している。「高品質」と「信頼感」を生み出す現場には、いったいどんな工夫があるのだろうか。

品質に向き合い
国内開発・製造にこだわる

 同社の品質へのこだわりは、開発・製造準備・製造・出荷と各工程で随所にみられる。採用部品の開発段階では、パソコンの根幹を担う電源の場合、専任のエンジニアがメーカーと共同で、回路設計や部品選定、機能・品質評価を慎重に繰り返し採用を決める。またマザーボードは、日本のユーザーの要求を満たす信頼性とコストバランスを考慮し、完成したシステムの使用環境を想定した上で機能設計を行う。

 製品品質評価では、マイナス20度からプラス65度までの温度変化を繰り返しながら部品や製品の物質的な変化、耐久性を評価する「温度サイクル試験」を含む、「信頼性試験」「寿命試験」「環境試験」「振動落下試験」「静音検査」など、実際に使用されるさまざまな環境下において、安心・安全に使用するための各種試験をクリアした製品のみを提供している。

 組み立ての準備段階では、入荷した主要部品すべてにシリアルナンバーを発行し管理することで、部品ごとの納入時期、実装製品、出荷時期をデータベース上で把握している。これによって、間違った部品の組み付けを防ぐことはもちろん、出荷後の電話サポート時に部品構成を正確に把握した上での案内や、修理依頼時の迅速な原因特定に繋げているようだ。