働き手が減少する将来を見越して、社員一人一人の生産性向上が声高に叫ばれる現在にあって、多くの人が見過ごしている、生産性を悪化させる業務がある。それが「経費精算業務」だ。月に一度のこと、と思うかもしれないが、それが全社員となれば経済的損失は無視できない。さらに、これは経理部門の負担やコンプライアンス上の問題にもつながる。経費精算システムの導入で課題を解決した企業の事例から対応策を探る。

申請を行う社員の負担だけでなく
経理部門への負荷、内部統制の問題も

 手帳やスマホのカレンダーから過去1カ月の行動を洗い出し、一つひとつWebサイトの乗り換え検索で移動経路と交通費を割り出してExcelに記入する……会社勤めをしている人のほとんどが月に一度強いられる経費精算。営業職であれば、これに接待で立て替えたレストランなどの領収書の精算も加わる。

 申請書類に不備があり、上長経由で書き直しを命じられ、本来の業務が妨げられた経験を持つ人も少なくないだろう。経費精算は、ビジネスマンにとって気の重い作業だ。

ユーザベース
ブランドデザイン
ディレクター
纓田和隆氏

 実はこの経費精算、申請を行う社員への負担だけでなく、月に一度処理が集中する経理部門にとっても非常に負荷が大きい。処理に追われるあまり、個々の申請内容が適正かどうかまで判断できていないという企業も多いだろう。

 ソーシャル経済ニュース「NewsPicks」を運営するユーザベースも同じ悩みを抱えていたが、クラウドベースの経費精算システムを導入することで、劇的な改善に成功した。

ユーザベース
管理担当執行役員
公認会計士
村上未来氏

「毎月1~2時間かけてExcelへの入力作業などを行っていましたが、それが10~15分程度に減りました。その分、お客様に向き合う時間が増えたと実感しています」と話すのは、広告営業を担うブランドデザイン ディレクターの纓田和隆氏。

 経理部門への負荷も大幅に改善され、以前は3~4日かかっていた経費処理業務が1日で終わるようになったという。経理部門を司る管理担当執行役員の村上未来氏は「3段階の経費承認プロセスを構築し、内部統制の観点からもリスク最小化の施策が打てた」と語る。

 同社はどのようなプロセスを経て業務改善を成し遂げたのか。以下で詳しく見ていこう。

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