出勤時のエレベーターホールは長蛇の列。やっと乗れたと思ったら、今度はまさかの各階停止。そんな毎朝の“うんざり”を、三菱電機の「三菱エレベーター行先予報システムELE–­NAVI(エレ・ナビ)」が解決する。

 東京駅に隣接して立つ鉃鋼ビルディングは、2016年2月にグランドオープンした26階建て(本館)の最新鋭複合ビルだ。最新エコ技術を導入して環境対応を図り、中間免震構造や非常用発電・備蓄倉庫を備えて災害対応も万全。誰もが安全に移動できるようインクルーシブデザインを積極的に取り入れた。

※ 初期の段階から多様な人々が参加して、課題の解決を図る手法

セキュリティーゲートと連動して
エレベーターを予約

鉃鋼ビルディング
管理営繕部
石橋健次 担当部長

 このビルには外資系6社を含む41社が入居、約3700人が働いているのだが、朝の出勤ラッシュの時間帯でも、セキュリティーゲートの先にあるエレベーターホールは混雑していない。

 管理営繕部の石橋健次担当部長によると、本館エレベーター12台(26人乗り)に「三菱エレベーター行先予報システムELE-NAVI(以下エレ・ナビ)」を導入した成果だという。

 「旧鉃鋼ビルでは、ホールでエレベーターを待つ時間と、いろいろな人が乗り合わせるため途中階での停止などで、最上階(9階)まで到着するのに相当の時間がかかっていました。新ビルは24階まで事務所フロアなので、渋滞がさらにひどくなることが予想されました」

「エレ・ナビ」はセキュリティーゲートを通るときに、利用者がかざすカードから行き先階の情報を取得し、できる限り同じ階で降りる人同士が同じエレベーターに乗るように振り分ける。停止階を少なくすることで、利用者のストレスも軽減し、1階に戻ってくる時間も短縮されて稼働効率も上がるわけだ。