企業の管理・間接(ホワイトカラー)部門が抱えるさまざまな問題を解決する鍵は、業務を細かい単位に分解して、目に見えるかたちにする「可視化」にある。それを実践するための革新的な技法とツールが、システム科学の「HIT法」だ。連載第1回では、日本企業の課題と可視化の必要性、HIT法の概要について紹介し、大きな反響があった。第2回は、HIT法による具体的な業務プロセス改善の進め方やその効果を、事例とともに紹介していく。また今回は、HIT法の詳細な説明や具体的な質問に対する回答を聞きたい方に対し、オンライン経由で簡単にできるので、活用していただきたい。

業務プロセスを可視化し、ムダを見つける 

田代敏也
株式会社システム科学
取締役
コンサルティング事業部担当

 業務改革や業務改善を成功に導くツールが「HIT法」だ。その狙いは、業務プロセスを可視化することにある。仕事の流れが目に見えるかたちになると、「ここにムダがある」と気づきが生まれ、そういった改善が積み重ねられることで、大きな成果へとつながる。

「標準的なHIT活動では、まず6ヵ月間の基本活動として、課長や部長が中心となり、『業務プロセス可視化法』や『チャート作成システム』を使って、業務の洗い出しやチャートづくり、それをもとにした改善を行います。すでにこの時点で多くのムダが発見され、2、3割もの業務効率化やコスト削減効果が得られるケースが多くでてきます」とシステム科学の田代敏也取締役は語る。

 基本活動の後は6ヵ月の専門活動へとステップアップし、そこではBPRや人材育成(OJT)などのより突っ込んだ業務革新活動を行う。

 今回は、企業がHIT法でどのように改善し成果を上げたのか、基本活動での事例を紹介してもらった。これらの事例は、HIT法を導入していない企業でもすぐに実践でき、役に立つものばかりだ。「こんな簡単なことが・・・」と思うかもしれないが、対応できてない企業が多いという事実を忘れてはいけない。ぜひ参考にしていただきたい。