欧州問題の改善でJリートは上昇へ4つの効果が作用し上昇トレンドへ!
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 「12年のJリート指数(東証REIT指数)は春ごろには1100ポイント台まで上昇の可能性があります」とSMBC日興証券の鳥井裕史さんは語る。

 その理由について、鳥井さんは「Jリート価格に影響を与える要因が改善しているからです」と説明する。Jリート価格は、(1)資金繰りリスク(2)不動産市況(賃料・空室率)(3)物件取得力(4)信用リスク動向の4つの要因に大きく左右される。

 「資金繰りリスクとは、運用会社が物件取得のための借入金を借り換えるときに、借り換え金利が上昇することですが、現在は非常に低金利の状態なので心配はありません。賃料や空室率も足元は改善しており、Jリートの収益アップの要となる物件取得も、4~6月期は震災の影響で一時減少したものの、夏以降はプラスに転じています。つまり、すでに4つの要因のうち3つは好条件が整っているのです」(鳥井さん)

■欧州問題が改善されればJリートは上がる!

 残る1つの信用リスク動向とは、信用不安などによって債券などの金融商品に金利(リスクプレミアム)がどれだけ上乗せされているかを示すもの。

 現在は欧州の債務問題によってJリートにも高いリスクプレミアムが上乗せされているが、「すでに3つの要因がそろっているのですから、欧州問題の重しが取れればJリートは上昇に向かうはずです」(鳥井さん)。

 このほか、「日本銀行が10年10月以降、市況を支えるためJリートの買い入れを積極的に行なっているのも上昇の材料となっています」と鳥井さんは指摘する。