ここ数年、右肩上がりで増えている外国人正社員。飲食や販売、サービス業を中心に、労働力の補完ではなく、成長エンジンとして位置づける企業も多いという。そうした企業向けに、海外採用をサポートする仕組みも整備されつつある。

 海外で外国人を採用したいと思っても、「どこから始めればいいのかわからない」と悩む経営者や担当者が多いはずだ。ネオキャリア代表の西澤亮一氏も同じ経験をしたことがある。

「日本企業に外国人を紹介するエージェントを利用したことがあります。感じたのは、現地のイベントに参加してもいい人材がいるかはわからないし、複数の企業が参加する合同面接会なので、一社でも有名企業がいると他の中小は不利になる。採用が決まっても、ビザの申請・取得など就労前のフォローを自力でやらなくてはいけない。ハードルは高いと痛感しました」

優秀な海外人財を厳選し
ワンストップで紹介

 その経験が、同社の海外採用支援サービスのベースとなっている。日本の企業にとってハードルが高いと同時に、日本の企業で働きたいと希望する外国人にとってもルートは限られるため、マッチングがうまくいっていなかった。出会いの場からマッチング、そして入社後までしっかりとフォローする枠組みをつくれば、企業と外国人求職者の双方が安心でき、状況は大きく変わるのではないか。新たなビジネスの可能性を見出したのだ。

 2011年から海外事業を展開している同社には、アジアを中心に約30万人の人材ネットワークがある。80%が20代と若く、学歴は中堅大学卒以上。しかも、大半が日本語能力検定の最難関レベルである「N1」所有者。加えて、「日本で働きたい」高い意欲をもった求職者が多く、就労意欲も申し分ない。日本企業から見れば宝の山のようなネットワークだ。

 人材マーケットはもちろん、日本に送り出すための法制度などを熟知するスタッフも駐在し、日本企業と外国人の橋渡しを行う。サービスの流れは左ページに掲載した通りで、現地での募集から来日しての就業まで、ワンストップで提供できるのが特徴。

 日本企業が抱えるもう一つの不安は、渡航したものの「いい人材に出会えないのでは」というもの。それを払拭するため、面接前の時点でネオキャリアが徹底した選考を行い、厳選した“人財”だけを候補としている。その結果、採用面接会に参加した求職者の内定率は、53%と高い水準をキープしている。