三菱電機は標準形エレベーター『AXIEZ(アクシーズ)』に、多言語化とユニバーサルデザインなど新しい仕様を拡充したモデルを発売。外国人や身体障害者が安全・安心で快適に利用でき、待ち時間の短縮をすることでスムーズ&スマートな移動を実現している。

(左)三菱電機 ビルシステム事業本部
ビル事業部 ビル計画部 昇降機マーケティング課 網谷明奈
(右)三菱電機ビルテクノサービス
昇降機新設事業本部 営業第二部 営業一課 主任 坂上峻介

 「今回の『AXIEZ(アクシーズ)』の仕様拡充は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、全国的に急増しているインバウンドの旅行者や、身体障害者の方々が安全・安心で快適に利用できるよう、より上質な“おもてなし”を実現したものになります」

 そう説明するのは、三菱電機ビルシステム事業本部昇降機マーケティング課の網谷明奈氏だ。

 まず、外国人にも安心して利用してもらえるように、アナウンスと液晶インジケーター表示を多言語化。通常時は日本語と英語でアナウンス・表示し、地震・火災・停電などの緊急時には中国語と韓国語を加えた4カ国語で、「SOSボタンを押し続けてください」などの通知を、3秒間ごとに画面を切り替えながら表示し、アナウンスするようにした。

 また、液晶インジケーターの表示画面やボタン色を、色覚の個人差に左右されることなく多くの人が見やすいように配慮。カラーユニバーサルデザインの認証を取得し、視認性の高い表示と矢印のアニメーションで、エレベーターの動きを分かりやすく伝えたり、緊急時に使用するボタンが目立つように工夫したりした。「もう一つの試みが、オプションで付けられる『行先階予約システム』です。タッチパネル式操作盤で行き先階を指定すると、乗車するエレベーターに行き先階が自動登録され、利用者はエレベーター内でボタンを押すことなく目的階までスムーズに移動できます」(網谷氏)。荷物を抱えているときや、乗客数が多い場合でも、ストレスのない移動が可能になるのだ。