当連載ではこれまで5回にわたり、可視経営の要点やそれを実践する業務プロセス可視化法(以下HIT法)について、さまざまな側面から紹介してきた。最終回となる今回はシステム科学の石橋博史社長に再度登場願い、ダイヤモンド・オンライン読者限定で開催したHIT法講座で感じたことや、可視経営の普及促進にかける思いを語ってもらった。

部課長を中心に、HIT法講座に多くの参加者

石橋 博史
株式会社システム科学
代表取締役社長
一般社団法人可視経営協会 理事

・毎回定員オーバーの参加者
この「可視経営塾」の連載に合わせて、HIT法についての1日体験講座を管理職向け・一般社員向けに分けて数回開催してきた。おかげさまで毎回定員をオーバーする参加者があり、反響の大きさに驚いている。参加者アンケートの結果もたいへん好評だった。

・自費で参加する人
自費で来たという意欲のある人も少なからずいた。特に印象に残っているのは、ある大手企業の若手社員だ。「現在の所属部署ではビジョンが明確ではない。業務プロセスも見えない。漫然と仕事が行われ、モチベーションも上がらない」と強い問題意識を持って講座に参加してきた。また、職場に問題があり、上司に相談しても「自分の持ち場をしっかりと」と言われる程度で、なんとか解決する糸口を見つけられないかと、大阪から自費で参加してきた若い社員がいた。

・やる気がでるその訳は
彼らは講座に参加することで、業務を可視化する意義や改善の仕組みを知り、「勉強してよかった」「職場で実践したい」と喜んで帰っていった。もちろん一人の取り組みだけで職場が一気に変わることはないだろう。でも、HIT法を活用して可視化された業務プロセスや、それに基づく改善案を周りの人に見せれば、少しずつでも変わっていくはずだ。誰が見てもわかる業務改善の成果を示せるのがHIT法のよさだ。

 企業向けに提供しているHIT法のツールを、個人的に買ってまで利用したいという人も何人かいて、そのやる気にはとても心を打たれた。