コスト削減策として最近注目されているのが、BPO(Business Process Outsourcing)である。企業全体の業務プロセスの最適設計をベースに、特定の業務を外部に切り出すことで、大幅なコスト削減とともに、コア領域への集中を目指す。そんなBPOのサービスを提供しているのが、もしもしホットラインだ。コールセンターで磨いた業務設計ノウハウと運営力を生かし、顧客と共に業務プロセス最適化を推進、企業の成長を支援している。

もしもしホットライン
上席執行役員
経営・営業企画本部長
システム・設備本部長
岡本英一氏

「ノンコア業務のアウトソーシングはコスト削減手法の一つですが、単純作業の切り出しはすでに行っている企業が多いのではないでしょうか。そこで、さらなるコスト削減のために何をするか──。そんな課題に対応するアウトソーシングサービスを、当社は提供しています」

 そう語るのは、もしもしホットライン上席執行役員の岡本英一氏である。社名の通り、同社はコールセンター事業を中核に成長してきた。1987年の設立以来、拠点数を拡大し、アジア地域への展開も進めている。

 一方で、事業領域はコールセンター以外の分野にも広がっている。代表的な事業が間接業務などのアウトソーシング、いわゆるBPOである。金融機関を中心に、同社のBPOサービスを採用する企業は増えている。

「コールセンターをはじめ、顧客接点の分野でサービスを提供する。それが主力事業であることは変わりません。ただ、コールセンターに隣接するバックオフィス業務などについても依頼が増え、その延長でBPOサービスを手がけることになりました。顧客接点で培ったノウハウは、営業事務や経理などさまざまな間接業務のアウトソーシングで生かされています」

単なるBPOではなく
プロセス最適化を支援

図1 もしもしホットライングループの総合力拡大画像表示

 もしもしホットラインは、BPOにより「もう一段のコスト削減」を支援している。「多くの企業で、従来と比べて2~3割のコスト削減が実現されました。また、企業内の組織間で重複している業務プロセスを集約統合するといった施策を組み合わせれば、中期的に3~4割のコスト削減も可能です」と岡本氏。BPOにおけるオペレーションを担うのは、札幌や沖縄などに置かれた国内のニアショア拠点、あるいは中国やベトナム、タイにあるオフショア拠点である。当然、オフショアはより大きな効果を見込める。同社のBPOサービスはコスト削減に効くだけではない。

「既存の業務プロセスをそのまま外部化するというBPOが多いようですが、当社のサービスはそれだけではありません。お客さまと一緒になって、業務プロセスの最適化を進めています。現状にはムダなプロセスがあるかもしれませんし、逆に付け加えるべきプロセスがあるかもしれません。業務プロセスの改善を繰り返しつつ、最適化を目指すのです」

 その最適化を可能にする同社のケイパビリティには、いくつかの側面がある。まず指摘できるのは、多様な業種の企業での経験だ。もしもしホットラインはコールセンターサービスやBPOサービスを通じて、多くの顧客のオペレーション現場を担っている。その中で得たノウハウ、成功事例などを他の顧客に展開することは容易だ。