今、ビジネスパーソンの間で「学ぶ」ことが見直されている。仕事を通じて培った経験に、最新の理論と知見を加えて、さらなるキャリアアップを目指す動きだ。これをサポートするのが、ビジネススクールである。学位取得はもとより、教員や共に学ぶ学生との交流も生涯の宝となるビジネススクールの最新事情を追った。

エデュケーション
西田 徹 代表取締役

1988年、京都大学大学院修了後、リクルートに入社し、人材教育ビジネスを担当。93年、ニューヨーク大学ビジネススクールでMBA(経営学修士)取得。ボストンコンサルティンググループ、カレン等を経て、2005年に企業内教育を行うエデュケーションを設立して現職に。『最高の自分になる6つの力』『説得できる企画・提案200の鉄則』など著書多数。

 2003年、日本版ビジネススクールである専門職大学院が創設された。高度専門職業人の養成を目的に、幅広い分野の学士課程修了者や社会人を対象として、国際的に通用する高度で専門的な知識・能力を養う役割を担う。現在、経営、会計、公共政策、公衆衛生、知的財産、臨床心理などの分野で、大学院・専攻が設置されている。社会人の履修を想定しているだけに、就労時間外に無理なく学修できるタイムテーブルで、柔軟にカリキュラムを設計できる点が特長だ。

ジャンプアップの
ベースを獲得できる

「ビジネスパーソンとしての経験を積んでから、あらためて学ぶことには大きな意義があります」と語るのは、西田徹・エデュケーション代表取締役だ。「例えば大きな企業に勤める人は、仕事を通じてデータに基づき論理的に考える力を付けやすいといわれていますが、さらに主体的かつ主観的に意思決定する力も備えることができれば、キャリアアップの可能性が高まります。また、起業家タイプの人は、自分の勘や経験から意思決定し成功してきたという人が少なくありませんが、論理的な判断を下す力を付ければ、もう一段のビジネスの拡大が期待できそうです。ビジネススクールでは、成功に向かってのジャンプアップを実現するためのベースの獲得を期待できるわけです」。

 西田社長自身は、1993年に米国でMBAを取得している。当時、勤めていた企業からの派遣だ。「所属する部署では戦略に関する研修メニューの引き合いが多かったのですが、当時は自社で提供できず、歯がゆい思いを抱えていました。新たなプログラムを開発するには、マネジメントについて自身が学ばなければと、派遣プログラムに応募したのです」と、西田社長は振り返る。ビジネススクールでは、当初の目的に合わせて人材関連の科目を中心に履修し、後半ではケーススタディの授業を意識して増やしたという。「何より英語に苦労しましたが、教員のサポートもあってディスカッションにも積極的に参加できるようになりました。実務に即したタイムリーな理論を学べる喜びは大きかったですね」。

 日本版ビジネススクールでも、全教員に占める実務家教員の割合が3割以上と定められており、実務の現状と最新の理論に触れることができる。ケーススタディや、ディスカッションなど少人数で履修できるプログラム、英語で行われる授業などもあり、密度濃く学べる仕組みだ。