異動に伴う人脈の途切れが
営業資産を“毀損”していた!

 人脈の構築は、ビジネスにおける基本であり、かつ、キーパーソンの発掘とアプローチは成功への道標となる。にもかかわらず、多くの組織において「人脈管理」は個人の作業の領域にとどまり、組織的に共有されていないことが多い。

 例えば、取引を希望する潜在顧客へのアプローチが複数の人間によってバラバラになされ効果的な戦術によるアプローチができていなかったり、取引先あるいは自社の担当者の異動に伴って人脈情報が途切れ、ゼロからのアプローチを余儀なくされたりといった無駄が多く発生している。

 徳島県庁で報告されている次のようなケースは、決して他人事ではない。

 徳島県は、県内全域に光ファイバ網が整備され、CATVの世帯普及率が88%という全国屈指のブロードバンド環境を備えている。徳島県ではこの環境を生かしてデジタル産業の集積や都市部にある企業のサテライトオフィスの誘致などの活動を展開している。

 そうした誘致活動は徳島県東京本部を中心に展開されており、職員は「徳島県を売り込む営業担当者」として活動を続けている。

 しかし数年間隔で職員の異動があるため、東京本部職員が在任中に築いた人脈は異動によって途切れてしまうことが少なくなかった。また、人脈情報の源泉となる名刺の管理についても、職員個人に任されていたために情報の共有化がなされていなかった。

 東京本部のある幹部は、異動後の課題をあげてくれた。

前任者から2000枚近い名刺を引き継いだが、到底管理できるものではなかった。
進行中のプロジェクトについても、業務引継書や業務報告といった書類がファイリングされているものの、その中でどの情報が重要で、アプローチ先のどのような人脈と相関を持っているのかがわからなかった。
名刺情報とそれら書類情報をマッチングさせることができなかった。

 これらを見れば、組織内に埋もれている多くの人脈情報を共有資産として活用することが、営業活動における最優先課題であることは明らかである。

 徳島県庁は、これをどのようにして解決したのだろうか。

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