犯人は「平和の守護者」
を含む複数のグループ!?

「サンタと違って、われわれはクリスマスプレゼントを一度に贈るのはイヤでね。12月を通して面白くするよ」

 12月7日(米時間)にこうツイッターで宣言したのは、リザード・スクアッドと名乗るハッカーのグループだ。リザード・スクアッドはその後、11月末に別のハッカー集団にさんざん傷めつけられたソニーに攻撃をかけ、プレイステーションのネットワークをダウンさせた。今回のサイバー攻撃は、「DDoS(分散サービス妨害)」攻撃とされている。

 11月の攻撃は、ほぼ1週間にわたってその被害が徐々に明らかになったのだが、その内容は大規模かつ前代未聞のもの。ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(SPE)の社内ネットワークから重要な書類や未公開映画が流出。こちらの攻撃は、GOP(Guardian of Peace=平和の守護者)と名乗るグループの仕業だ。

 書類の中身は、社員の給与明細、社会保障番号、ビジネス戦略などのクリティカルなもの。加えて、4本の未公開映画は、ファイル共有サイトにアップされてしまった。盗んだものも珍しいが、盗むだけでなく公開したところが特殊だ。

 当初、GOPの背後には北朝鮮が関わっていると言われたが、正確にはまだ不明だ。北朝鮮黒幕説が浮上したのは、かつて韓国が北朝鮮のハッカーに攻撃されたのと同じ手段を用いていること、またソニーピクチャーズが近く公開予定の映画「インタビュー」が、最高指導者の金正恩をおちょくっているとして、北朝鮮が公開取り下げを要求していたことにもつながったからだ。

 この映画は、アメリカの2人のテレビジャーナリストが金正恩のインタビューを目論むが、その途中でCIAに雇われ、暗殺計画に関わるという筋書きのコメディー。北朝鮮は、オバマ大統領にも抗議の書簡を送ったという。

 北朝鮮は、ハッカー攻撃は同国とは無関係だと声明を出したが、同時にハッカーのしたことを「正しい行為」と褒め讃えているという。