相続の手続きの流れを知っているかどうかで、相続税から遺産の取り分まで損をしないで済む。最も大事なのは相続税の申告は10カ月というタイムリミットがあることだ。

相続税の申告は10カ月内に!

  相続を人ごとと思っていては大きな間違い。家族はいつか亡くなるのだから、相続税という税金の話だけではなく、相続全般について知っておくことは決して無駄にならない。

 最も大事なのは相続税の申告は10カ月というタイムリミットがあること。1日でも遅れると無申告加算税が原則15%かかってしまう。

相続の手続きと流れ相続の手続きと流れ
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 親が亡くなった場合、死亡日から相続が始まり、死亡した時点で遺産は子どもたちの共有財産となる。相続の発生がわかると金融機関も預金口座を凍結して自由に引き出せないようにするし、不動産の名義を変えるのも全員の合意が必要で、〝抜けがけ〟はできない。

 死亡から7日以内に役場に死亡届を出したら、遺言書がないかを確認しよう。公証役場で作成したものか、親が自ら書いたものかで手続きは変わってくる。一方、遺言書がなければ、相続の権利のある「法定相続人」が誰なのかを戸籍などで確定した上で、遺産の相続方法を決める「遺産分割協議」を開くことになる。

 遺産の分け方は全員が納得すれば自由に決めてよい。ただし話し合いが決裂すれば「法定相続分」となることもある。最後に押印・署名をもって書類を作成、遺産を分けて税金を納めることになる。