消費税や社会保障費は上がる一方、金利は下がって貯金は増えず。使えるお金がますます減っている中、しかし、クレジットカードを利用する人は増えているようだ。春からの新生活に向け、クレジットカードをうまく生活に取り入れて賢く暮らすには、まずカードを知ることが第一。お得感の大きなカード選びのポイントをクレジットカードに詳しい岩田昭男氏に聞いた。

増税でも利用が増える
クレジットカード

 消費税の増税、社会保障費のアップに加え、依然続く低金利と、生活圧迫要因はめじろ押しの一方で給与のアップはそれほどでも……と嘆く声があちらこちらから聞かれる。とはいえこの時期、春からの新生活に必要な物はきちんとそろえたい。

 そこで、“同じ買うなら現金よりカード”という選択をする人が増えているという。理由は、ここ最近、ポイント還元率の高いクレジットカードが増えているからだ。ポイント還元率だけではない。他にも、使う人にとってかなりお得な条件を備えたカードが続々登場している。

iwata岩田昭男
消費生活評論家。1952年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。同大学院修士課程修了後、テレビ局勤務、月刊誌記者などを経てフリーに。金融分野では、特にクレジットカード、電子マネーの動向に詳しく、執筆や講演活動を展開中。

 経済産業省が実施する特定サービス産業動態統計調査(2015年1月)によれば、「クレジットカード業の会社系統別取扱高」は、14年1〜3月期、同4〜6月期、同7〜9月期ともに、対前年同期比で10%前後伸びており、8%消費税がスタートした14年4月単月でさえ、クレジットカード業の取扱高総計は、約3兆6000億円と、前年同月比110%の伸びを見せている。

 クレジットカードに詳しい消費生活評論家の岩田昭男氏は、増税などの影響で個人消費が落ち込んでいるといわれる中で、それでもクレジットカードの利用が拡大している状況に鑑み、「多くの人が、従来現金で支払っていたものをクレジットカード払いに移行し、ポイントを獲得することが一般化してきた」と述べる。加えて、電子マネー隆盛の昨今、電子マネーのデポジット、あるいは利用金額を、電子マネーにひも付いたクレジットカードで決済しているケースが増えたことも少なからず影響しているとも指摘する。

 それでは、お得なクレジットカードとは何なのか。岩田氏は、「ポイント還元率が高いことはもちろん、ポイント交換時の諸条件も考慮すべき」と述べる。 そもそも「高還元率」とは何パーセントを指すのだろうか。同氏は、「一般的なカードのポイント還元率が0.5%前後なので、1%以上であれば高還元率カードといえるでしょう」と言う。「ポイント還元率」とは、カードを利用することで獲得したポイントを現金に換算し、利用金額で割った率のこと。例えば、1000円の利用で1ポイントが付与され、1ポイントの価値が5円の場合、還元率は0.5%となる。