本当は古いマンションを買い、自分でリノベーションして好きな空間を形づくろうと考えていたN・Kさん。しかし、物件探しの途中で「本当に譲れないところは、別にある」と気づいたという。N夫妻が最終的な住まいの「決め手」に挙げたのは、「緑と開放感」だ。

gaikan樹木が育ち、落ち着いた雰囲気が漂う建物外観。総戸数41戸の、2棟構成になっている

最初の物件はローンの
審査が下りずに断念

 デザイン関係の仕事をしているN・Kさん(40歳)が住まい探しを始めたのは昨年のこと。気に入った物件を見つけ、リノベーション案も固めたのだが、ローン審査が下りず購入を断念した。

「転職して日が浅かったので、勤続年数が引っ掛かったようです。そこで仕切り直し、勤続3年目に入る今年の春から新たに探し始めました」(Nさん)

 当初は「自分でリノベーションする」目的で、大々的な改修に向く物件を探していたのだが、「いいところがありますよ」と不動産会社の営業マンに誘われ、現在の物件を見た瞬間、気が変わった。

 リノベーション済み物件として売る予定で、改修工事に入ったばかりの室内は、内装を剥がした後の状態で見栄えは悪かったが、窓の外に広がる緑の景色が何とも魅力的だったからだ。

緑あふれる公園が魅力
2番目の出会いで即決

 N夫妻が「これだ! !」と決めた物件は、西武池袋線と都営大江戸線、東京メトロ副都心線が使える「練馬」駅が最寄り。駅からは夫婦それぞれの勤め先に30分ほどで通える。

tank夜間蓄熱の温水器。タンクは新品に交換してある

 駅徒歩14分はやや距離感があるが、途中に広がるのは雰囲気の良い住宅街。自宅を開放した料理教室やパン屋、ガーデニングに凝った家などが点在し、散策を楽しむうちに駅に着いてしまう。

「駅に近い高層マンションではなく、こうした住宅街の中の落ち着いた低層マンションが好みでした。しかも駅まで歩くのが楽しいロケーションがいい。それよりもっと気に入ったのが、マンションの前に広がる公園です」(Nさん)

 このマンションは2012年にオープンした5000平方メートルもある区立公園に隣接している。公園は防災拠点になっていて、トイレや井戸を完備。地震時は近所の人が避難できるスペースだ。

「防災拠点ですから、新たにマンションが建つ心配はなく、眺望をずっと確保できるはず」(Nさん)

 以前、住んでいた賃貸マンションの目の前に高い建物が建ち、日が差し込まなくなった苦い経験があるが、今度は安心だ。