創業以来、日本ブランドならではのこだわりを追求し続けている「ダーバン」。生地づくりから仕立てまでを一貫して国内で手掛ける『ジャパンクオリティー』を支える職人技とトレンドをいち早く見据えた美意識が紡ぎ出す一着は、日本が誇る世界標準スーツだ。

欧州の旬を先取りした生地を、
自分に合ったフィッティングで堪能できる

’80年代を意識した梨地素材『アムンゼン』は、縦糸に使用した細番手ウールシルクの光沢で繊細な表情をたたえている。パーソナルオーダーでは細かなサイズ調整から体形補正までもが可能。日本人に適したパターンの着用感がより体に合ったフィッティングで実感できる。スーツ10万6920円、シャツ1万2960円、タイ1万7280円 チーフ スタイリスト私物

 ダーバンの、織りと編み、染色や整理加工……縫製の全工程を国内で行う服づくりの姿勢と精緻な技が『J∞QUALITY』認証を受けた。ダーバンの服を世界に誇るジャパンブランドとして認めるタグ付けが許された、スーツづくりの一端を紹介しよう。

 ダーバンのスーツ、その生地は国内の毛織会社との共同開発、写真のスーツの生地も日本の毛織物の聖地・尾州(愛知県一宮市)で作られた。縦横の番手が異なる、細番手の糸を打ち込んだ生地は軽やかで上質な光沢感をたたえる。『r.a.s.o.(ラーゾ)』と名付けられたこの生地は、スーツに映えるしなやかなドレープ感を生み出すが、その繊細さ故に縫製が難しい。

 それを担うのが自社工場、宮崎ソーイングだ。生地の伸縮性を考慮して厳しく湿度管理されたこの工場で、各ラインの熟練マイスターの下、1着のスーツは約270もの工程を経て作られる。ダーバンのスーツはここで年間20万着以上を仕立てる実績から研究を重ねた独自の設計で、日本人の前肩体形に対応した、動きやすく軽い着心地が達成されているのだ。

日本ファッション産業協議会の認証制度『J∞QUALITY(ジェイクオリティー)』。織り・編み、染め、縫い、の工程を国内で行った純正の日本製アパレルであることを示す安心と誇りのタグ マス見本と呼ばれる、微妙な色差の縦糸と横糸を15センチメートル間隔で織り上げた交織の色見本。こうした手間暇を費やして、今回紹介したスーツ生地に限らず、ダーバンは全ての国産の生地を織物会社と共同開発している

 日本人に合う丸いフォルムでありながらも体形をすっきりと見せる仕立て──ダーバンが培ってきた服づくりの知恵と匠は、世界を舞台に行動する日本のビジネスエリートにふさわしい上質さと洗練性になり、スーツに宿っている。