FP花輪陽子のシンガポール移住日記
【第18回】 2017年2月2日 花輪陽子

シンガポールでの「旧正月」の過ごし方を紹介!
冬物衣類がお得で、ユニークな習慣が楽しめる一方で
旧正月の旅行はあまりおすすめできない理由

 ファイナンシャル・プランナー(FP)の花輪陽子です。

 シンガポールは、1月28日からで30日まで「旧正月(チャイニーズニューイヤー)」で連休でした。前日の27日はイブということで、午前中で仕事が終わる会社も多く、夜は親戚などで集まってディナーという家庭が多いです。「ルナニューイヤー」とも言われ、日付は旧暦に基づき、毎年変わります。

 旧正月の3日間は、赤やピンクなど明るい色の洋服を着るのが好ましいようで、年配の方のなかには旧正月期間の15日間、ずっと赤色の洋服を着続ける人もいるのだとか。

 日本のお年玉のような「アンパオ(紅包)」を渡す習慣があり、子どもだけでなく、未婚の人、会社の部下、若い店員さんなどにも渡したりするようです。

「アンパオ」では綺麗な新札を、赤色などの袋に入れて準備をしておくのですが、2ドルなど、偶数の金額が好まれるそうです。渡す金額は経済力に応じて調整されているようで、会社の部下などが受け取る金額は10ドル前後が多いとのことでした(1シンガポールドルは約80円なので、10ドルだと約800円)。

 お金持ちの会社関係者から、200ドルもいただいたという人の話も聞いたこともあります。「福をあげる」という意味があるようなのですが、独自の再分配があってよいなと感じました。

旧正月ならではの食べ物は「ローヘイ」と「みかん」
どちらも経済的な成功を祈念しているのが特徴

「ローヘイ」私も「ローヘイ」を体験しました!

 また、シンガポールの旧正月には、通称「ローヘイ」と呼ばれる料理が欠かせません。刺身サラダのような食べ物なのですが、食べるときには皆で「ローヘイ!」と掛け声をかけながら、箸で混ぜます。

 混ぜるときには、箸を高く上げれば上げるほど縁起が良く、お皿から食べ物がはみ出るくらい豪快に行うのがポイントのようです。これは「溢れるほど大漁」という意味を含み、今年も経済的に上手くいきますように、と願いながら行うとのこと。

 ローヘイはスーパーなどでも購入できますし、チャイニーズニューイヤーの期間中は中華レストランなどでも楽しむことができます。刺身サラダなのに甘い味付けのため何日も続くと飽きますが、一度は経験してみても面白いかもしれません。

街中で見かけたみかんの木街中で見かけたみかんの木。
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 また、もう一つ旧正月に欠かせない食べ物に「みかん」があります。みかんのオレンジ色を黄金に見立てて、「お金持ちになれますように」と祈る意味があるそうです。

 シンガポールではクリスマスの飾り付けを片付けると、まだずいぶん旧正月までは時間があっても、街の至るところにキンカンのような大きさのみかんの木が飾られます。新年に、親戚や友人の家を訪ねる際に、みかんを贈り合う習慣もあるようです。

 シンガポールは国としても経済を最優先に考えているところがありますが、こうした正月の行事にも、お金に重きを置く考え方が反映されており、さすがだなと感心しました。

暑い国なので、冬物衣類の売れ残りも!
セール期間中には掘り出し物も数多く見つかる

 旧正月期間は、店舗によっては「チャイニーズニューイヤーセール」が行われることもあります。旧正月の前にも赤やピンクの洋服が売れるので、お店にとってはかき入れ時なのでしょうか。さまざまなプロモーションが行われることが多いです。

赤で統一されたお店のディスプレイ赤で統一されたお店のディスプレイ。
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 衣料品のディスプレイは面白いほどに赤が中心になり、独特だなと感じます。サンクスギビング明けのブラックフライデーセールから続く冬のセールも、旧正月期間が明けると一段落します。

 とはいえ、暑い国なので冬物の在庫を抱えている店舗が多く、ワゴンセールが行われることが多々ありますし、お店によっては裏からセール品を出してくれる場合もあるようです。

 暑い国では冬物の売れ残りも多く、割引率も高いので、冬物を狙うのはお得だなと今回の冬のセールで痛感しました。冬物であっても、綿素材の半袖やカーディガンなどは夏場でも着られるからです。

旧正月は休みの店が多く、タクシーもつかまりにくい!
外国人にとっては手持ち無沙汰になる時期

 とはいえ、旧正月期間のシンガポールへの渡航はあまりおすすめではありません。航空券やホテル代が高騰する上に、連休中はお休みの店舗も多いからです。

 よって、外国人は行き場に困る感じで、ホームパーティーをするなどして過ごす人も多い様子。また、タクシーもつかまりにくい状態になります。旧正月期間中の夜にタクシー配送サービスを利用したのですが、お休みのドライバーも多く、料金は需要と供給により決まるので、通常の倍の値段を支払わなければなりませんでした。

新年のチャイナタウンにある寺院新年のチャイナタウンにある寺院。
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 最後に、我が家の旧正月の過ごし方を紹介しておきます。

 子どもの学校がお休みになるので、イブの日は空いているプレイグラウンドを探してママ友とプレイデイト(子どもたちを一緒に遊ばせるために、親が時間、場所を決めて会うこと)、1日目は友達とホームパーティー、2日目は家族でチャイナタウンをお散歩(屋台なども出ていて、中華系のお寺でお祈りをしました)、3日目は自宅で子どもを友達と遊ばせるほかなく、行き場に困り続ける感じでした。

 未体験の方は一度、シンガポールの旧正月を体験してみるのは面白いと思います。ですが、できることならば来年から旧正月期間は海外で過ごしたいな、と個人的には感じました。