つみたてNISA(積立NISA)おすすめ比較&徹底解説[2019年]
2017年12月25日 深野 康彦

「つみたてNISA」口座開設の手順をやさしく解説!
投資未経験者や従来のNISAから移行する人など、
人によって異なる口座開設までの流れとポイントは?

つみたてNISAのおすすめ証券会社はココ!

 「『つみたてNISA(積立型の少額非課税投資制度)』を始めようと思っているけれど、まだ何もしていない」という人は少なくないでしょう。「つみたてNISA」を利用して投資信託・ETFの積立を行うには、「つみたてNISA」の取り扱い金融機関で専用口座を開設する必要があります。

 口座開設は決して難しい手続きではありませんが、投資初心者はその前の「総合口座開設」の段階で戸惑うことがあるかもしれません。また、すでに従来の「NISA」を利用している人は、移行手続きで注意すべきポイントがあります。今回は、「つみたてNISA」の口座開設について見ていきましょう。

証券総合口座の有無、従来「NISA」口座の開設状況など、
人によって「つみたてNISA」口座開設で必要な手続きは違う!

 ここでは、「つみたてNISA」口座を開く金融機関はすでに決定している、というところから話を始めます。もし、どの金融機関がいいのかを迷っているなら、前回の記事を参考にしていただければと思います。

【※「つみたてNISA」口座の金融機関の選び方はこちら!】
「つみたてNISA」の金融機関の選び方を解説!手数料、取扱商品の数、引き落とし方法で比較した投資初心者と経験者で異なる選び方のポイントとは?

 さて、「つみたてNISA」の口座開設に関して、大前提として押さえておきたいのは「すべての金融機関を通じて一人一口座」しか開けないということです。複数の金融機関に「つみたてNISA」の口座開設を申し込んではいけません。いくつも金融機関で口座開設の申込をすると、税務署のチェックなどに時間がかかってしまい、スムーズに口座を開設できなくなってしまうからです。また、本当に希望する金融機関で口座を開けなくなる場合もあります。

 特に、従来の「NISA」口座を開設したもののまったく使っておらず、開設したことすら忘れている場合などは注意が必要です。もし「『NISA』口座を開いたことがあるかもしれない」という人がいたら、まずは取引のある証券会社などで口座開設状況を確認しておきましょう。

 では、「つみたてNISA」の口座を開くにはどのような手続きが必要でしょうか。基本的には、口座を開設したい金融機関の「つみたてNISA」 のページにアクセスし、口座申込ページに必要事項を記入して、送信するだけです。一部のネット証券では、本人確認の書類提出などもネットで行える場合があります。

 ただし、投資経験の有無や従来の「NISA」口座を開設済みかどうかなど、その人の状況によって必要になる手続き・提出する書類は変わってきます。大きく分けると、次の3つのパターンが考えられます。ご自身に当てはまるのはどれか、考えてみてください。

(1)新たに証券会社に口座を開いて、「つみたてNISA」を始める場合(投資未経験者など)
 ⇒証券総合口座の開設申込+「つみたてNISA」口座の開設申込

(2)証券総合口座を開設済みで、従来の「NISA」口座は未開設の場合
 ⇒「つみたてNISA」口座の開設申込

(3)従来の「NISA」から「つみたてNISA」に移行する場合
 ⇒口座切替依頼(金融機関を変更せず、マイナンバーも提出済みの場合)
 ⇒「つみたてNISA」口座の開設申込(2017年9月末時点でマイナンバーを未提出の場合)
 ⇒勘定廃止通知書の提出+「つみたてNISA」口座の開設申込(金融機関を変更する場合)

 (3)については、マイナンバーの提出状況や口座変更に併せて金融機関も変更するかどうかで、手続きや必要な書類が変わるということです。

投資未経験者の人は「証券総合口座」の開設から!
迷ったら「特定口座」&配当金の「株式数比例配分」を選ぼう

 (1)の「新たに証券会社に口座を開いて、『つみたてNISA』を始める場合」から詳しく見ていきましょう。これまで付き合いのない証券会社で「つみたてNISA」を始める場合は、「つみたてNISA」口座と同時に「証券総合口座」を開設することになります。

 どちらの口座の申し込みも口座を開きたい金融機関のサイトの申し込みフォーマットに必要事項を入力していくだけですが、投資未経験者の中には「証券総合口座」の申し込み事項への記入で立ち止まってしまう人が少なくありません。しかし、難しいと感じるのは主に次の2カ所だけですので、記入途中で放り出すことなくぜひ先に進みましょう。

●「口座」の種類
「特定口座」と「一般口座」の2種類があり、さらに「特定口座」のほうは、源泉徴収あり、源泉徴収なしに分かれています。初心者であれば、「特定口座(源泉徴収あり)」を選んだほうがよいでしょう。「特定口座(源泉徴収あり)」なら、証券会社が税金を計算・徴収してくれるので自分で確定申告をする必要がありません。なお、「つみたてNISA」口座はそもそも非課税のため、一般口座を選んだとしても確定申告は不要です。

【※関連記事はこちら!】
ネット証券の口座開設までの流れをやさしく解説! 特定口座と一般口座、源泉あり・なしの違いは? マイナンバー確認書類を簡単に提出する方法は?

●配当金の受け取り方
 証券口座に入金される「株式数比例配分方式」、銀行口座に振り込まれる「登録配当金受領口座方式」と「個別銘柄指定方式」、郵便局で現金で受け取る「配当金受領証方式」を選ぶ必要があります。好みの方式を選んで構いませんが、「つみたてNISA」のETFの分配金を非課税で受け取りたい場合や、従来の「NISA」で株式の配当金を非課税で受け取りたい場合には「株式数比例配分方式」を選ぶ必要があります。なお、「つみたてNISA」では、投資信託の分配金を受け取ることはありません。

【※関連記事はこちら!】
株の「配当金」を受け取る4つの方法を紹介! 現金で受け取る方法や銀行・証券口座に振り込まれる方法などの中で、株初心者におすすめの方法は?

 また、免許証などの本人確認書類とマイナンバーが確認できる書類(通知カード、マイナンバーカード)の提出も必要になりますので、手続きの際は手元にこれらの書類を準備しておくとスムーズです。

証券会社に口座があり、従来「NISA」口座が未開設の人は
「つみたてNISA」口座申し込み書類を提出すればOK

 (2)の「証券総合口座を開設済みで、従来の『NISA』口座は未開設」という人は、証券会社の公式サイトなどから「つみたてNISA」口座の開設申込フォーマットに入力をして、必要事項を記入の上、送信してください。マイナンバーが未提出の場合は、併せてマイナンバーの確認書類を提出することになります。

 また、(3)の従来の「NISA」から「つみたてNISA」に移行する人のうち、金融機関は変えないけれど2017年9月末時点でマイナンバーは未提出という人も、「つみたてNISA」口座の開設の申し込みと同時に、マイナンバーの提出が必要です。

 一方、「金融機関はそのまま+マイナンバーも提出済み」で、従来の「NISA」から「つみたてNISA」に移行する場合は、金融機関所定の口座切替依頼フォーム(勘定変更依頼書)に必要事項を入力して送信するだけと、手続きは非常に簡単です。

 最後に、従来の「NISA」口座をから「つみたてNISA」に移行するのに合わせて、金融機関も変更したいという場合です。まず、もともと「NISA」口座を開設している金融機関に「勘定廃止通知書」を請求して、それを新しく「つみたてNISA」口座を開設する金融機関に、「つみたてNISA」口座の開設申し込みとともに提出してください。もちろん、「つみたてNISA」口座を開設する金融機関に証券総合口座がなければ、証券総合口座の開設手続きも必要になります。

「つみたてNISA」口座の開設完了まで時間がかかる場合も!
始めるタイミングはあまり気にせず「思い立ったが吉日」で

 ここまで、証券会社で「つみたてNISA」の口座を開くことを想定してお話してきましたが、「つみたてNISA」を扱っている銀行で口座を開く場合についても、少し触れておきましょう。

 銀行で「つみたてNISA」を始める場合には、預金で利用する「総合口座」などとは別に、「投資信託口座」の開設が必要です。その上で、「つみたてNISA」口座の開設手続きを行います。つまり、証券会社で「証券総合口座」と「つみたてNISA」口座の両方が必要というのと同じ構造です。

 ところで、「つみたてNISA」口座の開設の申し込みをしてから口座開設が完了するまでの期間ですが、新規で申し込む場合は長くて3~4週間かかると考えておいたほうがよいでしょう。従来の「NISA」から「つみたてNISA」に切り替える場合(金融機関の変更なし)は、もう少し期間は短縮されるようです。

 つまり、これから口座開設の手続きを行うと、2018年の1月下旬ないし2月になる可能性もあるということです。人によっては、「1月ぴったりから始めたい」「1月がダメなら新年度から始めよう」など、キリのいいところから投資をスタートしたいと思うようですが、キリのよさにこだわる必要はないと私は思います。

 「つみたてNISA」は、早く始めればその分、コツコツと資産が積み上がっていきます。むしろ「思い立ったが吉日」「口座開設が完了したら吉日」ということで、「つみたてNISA」の口座開設が完了したら、そのタイミングで積立投資をスタートしていけばいいのではないでしょうか。

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(構成:肥後紀子)

深野康彦(ふかの・やすひこ)[ファイナンシャルプランナー]
ファイナンシャルリサーチ代表。AFP、1級ファイナンシャルプランニング技能士。クレジット会社勤務を3年間経て1989年4月に独立系FP会社に入社。1996年1月に独立し、現職。あらゆるマネー商品に精通し、わかりやすい解説に定評がある。主な著書に『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない』『ジュニアNISA入門』(ダイヤモンド社)など多数。