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【第4回】 2012年3月6日 久保田正伸

7%、8%は当たり前。高利回りの「外債」は売り切れ続出だがココに注意!

なぜ外貨建て債券の利率は高いのか?(前編)

【図表1】楽天証券の外国債券のページ。「完売」した債券が多数
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 まず【図表1】を見てほしい。楽天証券の「外国債券」欄で発売されている商品一覧だが「7%」「4.7%」といった高い年利の商品が並んでいる。商品によっては「好評につき完売しました」の表示も出ている。

 2月28日に各社から発売された「トヨタ モータークレジット コーポレーション社債(豪ドル建て社債、新発債)」は、現時点(3月5日時点)では、「完売間近です」(楽天証券)、「完売」(SBI証券)、「オンライントレードでのお申し込みは終了しました」(SMBC日興証券)と表示されており、商品の人気ぶりがわかる。

 そもそも「債券」とは、国や地方政府、国際機関、銀行、一般事業会社などが投資家から資金を借入れるために発行する証券証書だ。国内の発行体が、円建てで発行するのが「国内債券」。それ以外が「外国債券」とされる。中でも外貨建てで発行される債券が「外貨建て債券」(以下、外債)だ。

高利率の外債は新興国の通貨建て

【図表2】実際に発売された外貨建て債券の参考利回りと年利率の例。
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 最近、発売された外債の参考利回りと年利率の例を示したのが【図表2】。日本国内の定期預金なら10年定期でも0.2%程度だが、それに比べて【図表2】の外債は非常に高利回りだ。たとえば「ドイツ銀行AGロンドン発行2019年3月1日満期 トルコ・リラ建社債」は、年利率が7.13%となっている。

【図表2】に掲載された債券は、トルコ・リラ建、豪ドル建、ブラジル・レアル建、南アフリカ・ランド建、ニュージーランド・ドル建、メキシコ・ペソ建となっている。新興国債券の場合、8%、9%といった高金利も珍しくない。

【図表3】各国の10年債の利回り。SBI証券ホームページより。

 外貨預金や外貨建てMMF、FXのスワップは短期金利に連動するが、債券は長期金利に連動する。長期金利は短期金利より金利が高い。さらに、南アフリカやメキシコといった新興国の10年債は利回りが高い。【図表3】は各国の長期金利(10年債の利回り)を示したグラフだ。

 ちなみに、新規に発行される債券を「新発債」、既に発行されて市場に出回っている債券を「既発債」という。

 新発債は、額面金額で募集され、償還差損益は発生しない。年あたりのクーポン(利息)=年利率となる。既発債は市場動向で価格が決められて売買されるため、利回りは市中金利や、発行体の信用力に応じて、変動している。

豪ドル建社債の利払い金額はいくら?

 先ほど登場した「トヨタ モーター クレジット コーポレーション 2016年3月10日満期 豪ドル建社債」SBI証券で買った場合に、利払い金額がどれぐらいになるか、実際の例で見てみよう(※下記の計算式は概算であり、実際の計算式とは異なる)。

・年利率:4.70%(税引前)
・利金の税金:一律20%(所得税15%、住民税5%)
・利払い:年2回
・為替レート:1豪ドル88円で換算
・為替手数料:1円
・購入金額:1万豪ドル購入

 <外貨ベース>
1万豪ドル × 4.7%(金利) ÷ 2(利払回数) × 0.8(税金)=188豪ドル

 <円貨ベース>
188豪ドル(外貨ベース利金) × (88円 - 1円) = 1万6356円

 円貨ベースでは、為替レートから為替手数料を引いた金額をかけている。この債券を約88万円分購入すれば、年間約3万3000円の利金が得られる計算になる。

ただし、この計算は為替レートが購入時と変わらない場合。外債は高利率だが、「為替リスク」はつきものだ。