【パークシティ武蔵小山 ザ タワー】は“買い”?
価格・スペック・立地をプロが徹底調査!
割高だが都心へのアクセスや建物は魅力

2018年5月25日公開(2023年12月14日更新)
櫻井幸雄:住宅評論家

新築マンション「パークシティ武蔵小山 ザ タワー」は東京都品川区の注目物件だが、本当に買いなのか、価格・スペック・立地を徹底的に調査してみた。「武蔵小山」駅周辺の再開発第1弾となる大規模超高層マンションは価格が高めなのが難だが、都心へのアクセスの良さや建物の魅力は充分。立地やスペックのポテンシャルは高く、将来割安と評価される可能性がある。(住宅評論家・櫻井幸雄)※新築販売時の記事です。

武蔵小山駅から徒歩1分に建設される
628戸の大規模超高層マンション

 品川区の小山3丁目、東急目黒線「武蔵小山」駅から徒歩1分に建設される全628戸の大規模超高層マンションが「パークシティ武蔵小山 ザ タワー」だ。地上41階建て地下2階の巨大な建物には免震構造が採用される。

 以前から武蔵小山の街を知っている人のなかには、「駅前にそんな大きなマンションを建設できる場所があったかなあ」と首をかしげる方もいるだろう。たしかに、以前はゴミゴミした場所のイメージがあった。東急目黒線が目蒲線と呼ばれた時代は踏切が道路を分断し、東洋一と称された(今は、東京一とか都内一とされる)アーケード街「武蔵小山商店街」が駅近くから始まり、下町風情が残る活気ある街の印象があった。当時の街並を思い起こすと、とても巨大なタワーマンションが建設できる場所ではない。

 状況が変わったのが2006年。武蔵小山駅が地下化され、駅周辺の再開発がはじまってからだ。整備された駅前に、祭りやイベントに利用される広場、商業施設とともに複合開発される。

 「パークシティ武蔵小山 ザ タワー」は、新しく生まれ変わる武蔵小山の象徴といえる。

パークシティ武蔵小山 ザ・タワー「パークシティ武蔵小山 ザ タワー」は間口の広いワイドスパンと高い天井高で開放的な住空間を実現

パークシティ武蔵小山 ザ タワー(※新築時のデータです)

価格
5290万円~2億1790万円
完成時期
2020年1月予定
  • 東京都品川区小山3丁目196-1(地番)
  • 東急目黒線「武蔵小山」駅徒歩1分
間取り
1LDK~3LDK
専有面積
37.69~115.00㎡
総戸数
598戸
売主
三井不動産レジデンシャル、旭化成不動産レジデンス
施工会社
鹿島建設

※データは2018年5月25日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。

 

約60㎡から108㎡の物件については、
価格が7980万円から2億590万円

 しかしながら、「パークシティ武蔵小山 ザ タワー」は、爆発的に売れているマンションではない。ほぼ同時期に販売を開始した「ザ・タワー横浜北仲」が総戸数1176戸(うち、一般への販売住戸は1126戸)のうち1050戸を半年ほどで売り切り、販売の最終段階に入っている。それと比べると、全628戸で一般に販売される住戸は491戸の「パークシティ武蔵小山 ザ タワー」は販売がゆっくり進んでいるように思える。

 約60㎡から108㎡の物件については、価格が7980万円から2億590万円。最多価格帯8400万円という価格設定は、「ザ・タワー横浜北仲」よりも高くみえる。しかし、品川区内で都心に近いことを勘案すると、「高すぎる」ことはない。実際、「ザ・タワー横浜北仲」の中層階以上の価格設定と大差がない。

 にもかかわらず、「ザ・タワー横浜北仲」ほど注目されていないのはなぜか。

 理由として考えられるのは、「決め手」の弱さかもしれない。考えてみれば、「ザ・タワー横浜北仲」は、決め手が多かった。地上58階建ては、超高層マンションの中でもトップクラスの高さで横浜市最高層。足元の商業施設もスケールが大きい。

 これに対し、「パークシティ武蔵小山 ザ タワー」は、地上41階建て。複合開発の商業施設は46店舗。「ザ・タワー横浜北仲」と比べると、スケール感で劣る。が、超高層マンションとしてとくに小型ではないし、商業施設が寂しいわけでもない。それでも、「どうしても、このマンションを買いたい」という気持ちを沸き立たせる決め手があるかと言われれば、どうだろう。

 「パークシティ武蔵小山 ザ タワー」には、「ザ・タワー横浜北仲」ほどのインパクトがない。それが、「ザ・タワー横浜北仲」のような超人気物件になっていない理由だろう。

【関連記事はこちら!】
>> 【品川区】で人気の新築マンションは? 資料請求数などから人気倍率を算出!

地盤が強固な場所なのに、
免震構造という念の入れよう

 といっても、「パークシティ武蔵小山 ザ タワー」は、魅力の薄いマンションではない。同マンションが備える基本的なポテンシャルは、極めて高い。

 まず、都心へのアクセスがよい。これは、「ザ・タワー横浜北仲」と比較したときの圧倒的な差となる。まず、駅から徒歩1分であり、その駅から「目黒」駅まで東急目黒線の急行で1駅3分。「六本木一丁目」駅まで12分、「永田町」駅まで16分と都心各エリアまで行きやすい。

 近接する「品川」駅周辺は、リニア中央新幹線の開通によって大きく発展するという将来の楽しみもある。

 建物の魅力も多い。「パークシティ武蔵小山 ザ タワー」は杭を打たず、ベタ基礎で建設され、免震構造を採用する。従来、ベタ基礎で建設されるマンションは、免震構造を採用しないケースが多かった。ベタ基礎で建設できるのは、地盤が強固な証拠。地盤が固ければ、地震による揺れが小さくなるため、免震構造は不要と考えられたからだ。

 しかし、東日本大震災以降、地盤が強固な場所で免震構造を採用すれば、さらに安心度が高まると考えられるようになった。「パークシティ武蔵小山 ザ タワー」も、その考えからベタ基礎×免震構造を採用。施工は鹿島建設だ。

 建物内では、ホテルのような内廊下方式を採用。それに加えて、すべての柱を住戸外に出す設計を採用。超高層マンションでは珍しく、室内の有効面積が大きくなっている。天井が2.6mと高くなっていることも、開放感を高めている。

 天井埋め込みカセットエアコンが一部の住戸にしか採用されていないなど、残念な部分もあるが、基本的な居住性能を高めている点は高く評価される。

 武蔵小山の駅周辺再開発では、3本の超高層マンションが建設予定となっており、「パークシティ武蔵小山 ザ タワー」は、その第1弾として登場した。

 価格が高いと評価されがちだが、今後のことを考えると、これでも割安だったと評価される可能性がある。再開発エリアに建設される第1号物件は、要注意なのである。

パークシティ武蔵小山 ザ タワー(※新築時のデータです)

価格
5290万円~2億1790万円
完成時期
2020年1月予定
  • 東京都品川区小山3丁目196-1(地番)
  • 東急目黒線「武蔵小山」駅徒歩1分
間取り
1LDK~3LDK
専有面積
37.69~115.00㎡
総戸数
598戸
売主
三井不動産レジデンシャル、旭化成不動産レジデンス
施工会社
鹿島建設

※データは2018年5月25日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。

 

【関連記事はこちら!】
>> 【品川区】で人気の新築マンションは? 資料請求数などから人気倍率を算出!

 
  • RSS最新記事
 

注目記事>>新築・中古マンション市場動向は? 注目物件や在庫状況など最新市況を不動産アナリストが解説
 

【注目の大規模物件】 【新築マンションの基礎】
HARUMI FLAG(晴海フラッグ)
三田ガーデンヒルズ
グランドヒルズ南青山
パークタワー勝どきミッド/サウス
ワールドタワーレジデンス
パークタワー西新宿
新築・中古マンションの市場動向
最新の新築マンション相場や価格は?
値引きをする会社はどこ?
「音」のトラブル!遮音性の確認法
管理のチェックポイント
住み心地を決める「階高」
◆新築マンション人気ランキング
TOP