株式レポート
2012年3月12日 マネックス証券

雇用統計が示す経済状況 ~2月の製造業景況感の低下をどう見るか?~ - 米経済の「今」を読む -経済指標動向-

2月の雇用統計は米雇用市場の好調持続を改めて示す結果となった。市場が注目する非農業部門雇用者数は前月から+22.7万人増加し、大幅に上方修正された1月分と併せて3ヶ月連続で20万人超の改善、比較的早い回復ペースを維持した。2月の改善ペースは事前の市場予想(+21.0万人)とほぼ変わらず、結果は想定の範囲内に収まった格好。労働市場の約8割超を占めるサービス業が好調を維持し、前月から+20.9万人増加、天候などの要因に左右されやすい建設業が前月から減少(-1.3万人)したものの、製造業(+3.1万人)や鉱業など(+0.6万人)でも改善が継続、サービス業の好調が幅広い業種に波及している。これらの点は事前に発表された他の統計とも整合的で、米雇用改善の信憑性は高い。

加えて、労働力人口が増加していることも好感できる。16歳以上の人口に占める労働力人口(雇用者+失業者)の割合(労働参加率)は、大幅に低下した1月から反発した。この結果は、就業をあきらめていた人々が労働市場に戻ってきたことや失業の長期化で就業をあきらめる人々が減少したことを期待させる。持続的な雇用増加を背景に、良好な結果が散見されるのが2月の雇用統計の特徴だ(グラフ参照)。

雇用統計の良好な結果のなかでも、評価できるポイントの1つが製造業雇用の継続的な回復であろう。既に発表された2月の米主要経済指標は、軒並み前月から改善したが、月初に発表されたISM製造業景況指数のみが予想外に低下し、景気回復の頭打ちリスクが浮上していた。製造業雇用が堅調を持続していることで、景気回復の頭打ちリスクはやや後退したと見ている。今回の雇用統計を踏まえれば、ISMの低下は過度に悲観する必要はないとの見方もできるだろう。今週は、地区連銀による製造業景況感サーベイが発表(NY連銀、フィラデルフィア連銀ともに15日公表)される。これらの指標(3月分)が堅調を維持すれば、米経済の堅調がより鮮明に意識されることになるだろう。

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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 戸澤 正樹