株式レポート
2012年5月14日 マネックス証券

米経済にひとまず好材料~5月の消費者センチメントは堅調スタート~ - 米経済の「今」を読む -経済指標動向-

先週末発表されたミシガン大学消費者信頼感指数は、米消費者の景況感を調査する重要な統計だ。米国では、国内総生産(GDP)の約7割を個人による消費が占めており、個人消費と関連性が強い消費者のセンチメントは注目度が高い。また、同指数は主要月次統計のなかでもいち早く公表される有益な指標で(指標の詳細は※参照)、より大規模に米消費者センチメントを調査するカンファレンスボードの統計(29日公表)の先行指標となる。

5月のミシガン大学消費者信頼感指数は、小幅低下を想定していた市場予想に反して改善(4月:76.4 → 5月:77.8)した。同指標の改善は9ヶ月連続。春先以降、雇用市場を中心に米景気の先行き不透明感を強める指標が散見されるなか、消費者のセンチメントは堅調を持続していることを示唆する結果であった。同調査によると、5月は耐久財(家電や自動車など)の購入意欲が大きく改善。ガソリン価格の上昇がピークアウトする兆しが見え始めたことで、これまで一定程度抑えられてきた消費意欲が再び回復した模様だ(グラフ参照)。

4月分の米主要経済指標はネガティブサプライズが散見されたが、ミシガン大学消費者信頼感指数や週間の新規失業保険申請件数など5月分はひとまず良好なスタートを切っている。これらの結果は、米経済の先行き懸念を和らげる材料だった。ただ、中国や欧州の景気減速懸念が一層強まるなかで、米経済の本格的な回復回帰を確認する上では、企業景況感(ISM指数)や雇用統計の戻りを確かめたい。

※ミシガン大学消費者信頼感指数とは
米国で、無作為に抽出された個人500名を対象にしたアンケート調査を元に作成される経済指標。以下の項目に関するDI指数(楽観的な回答をした割合から悲観的な回答をした割合を引き、100を足した値)で構成されている。毎月、速報値と確報値が公表され、速報値は全サンプル中のおよそ300データを元に算出。
調査項目 現況判断:「1年前からの家計状況の変化」、「足元の耐久財消費の状況」
将来見通し:「5年先の家計状況」、「1年先の国内景況感」、「5年先の国内景況感」

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 戸澤 正樹