株式レポート
2018年12月10日 マネックス証券

運と実力 - 新潮流

◆フィギュアスケートのグランプリファイナルで紀平梨花選手が初優勝を果たした。前半のショートプログラムで世界最高得点をマークするなど圧巻の演技だった。紀平選手は今シーズンがシニアデビューで、日本の選手がデビューシーズンにグランプリファイナルを制したのは2005年の浅田真央さん以来、13年ぶり。たぐいまれな才能を、幼い頃からのたゆまぬ努力で開花させた結果であろう。素晴らしい快挙に心から拍手を送りたい。

◆「勝負は時の運」というように、あらゆる勝負事には運が関係する。スポーツでも野外で行われるスキージャンプやゴルフなどは風の影響が結果を左右する場合がある。しかし、屋内スポーツや芸術は、比較的、選手やアーティストの実力がそのまま出る。才能と努力で「スキル」が身に付くと、「運」に左右される度合いが減るからだ。外科医など技術系の職業も同様だ。運に左右されることが多かったら、怖くて手術台に上がる気にならない。

◆しかし、一般のビジネスでは「スキル」によって成否が決まる部分よりも「運」に左右される部分のほうが大きいような気がする。頑張ったからといって、それで成功するわけではない。企業の経営や投資・資産運用についてもそうだと言える。そもそも特殊な職業を除いては、一般のビジネスに「スキル」と呼べるようなものがあるだろうか。大抵の場合、「商品知識」とか「マニュアル」で言い換えられるようなものだろう。

◆では、「スキル」を磨くための努力は無駄なのか?と言えば、そんなことはない。努力や「スキル」は、成功のための十分条件ではないが必要条件だ。特に資産運用では一生懸命に努力してスキルを磨かないと絶対に勝てない。一生懸命に頑張らないと相場の神様が運をくれないのだ。「運用」とは「運」を「用いる」ことであるがゆえ。