株ニュースの新解釈
【第75回】 2012年5月24日 保田 隆明

「これからフェイスブックの株価は上がるのか?」を考えてみた

上場直後から続く株価の下落に今後の兆候が見えた!?

上場直後にナスダックのシステム障害に直面し、その後、上場前の情報開示に問題が合った可能性があるということで米国SEC(証券取引委員会)が調査に乗り出すなど、波瀾の様相を呈しているFacebook(フェイスブック)株であるが、投資家の一番知りたいことは、フェイスブック株は買いなのか売りなのかの判断である。

現在の株価はIPOの仕切り直しと考えればよい

 株式上場時の公開価格は想定株価よりも2~3割低いレベルで決定するのが通例である。フェイスブック株のもともとの仮条件レンジは28ドルから35ドルのレンジであった。

 しかし、上場後の需給が逼迫しそうだということで、上場直前に仮条件が34ドルから38ドルのレンジに引き上げられ、公開価格はその上限である38ドルで決定した。

 そのような需給を脇に置いておけば、主幹事証券会社そして同社はIPOディスカウントを加味した上で、当初の28ドルから35ドルが適正株価レンジだと算出していたわけである。

上場後からのFacebook株の値動き。上場日に45ドルを記録後、下落が続いている。

 5月22日終値の31ドルという株価は、確かに公開価格の38ドルに比べると大幅な下落ではあるが、当初の仮条件レンジの中央値が31.5ドルであったことから考えると、あまり驚きではない。

 IPOディスカウント(公開時に株価を若干低めに設定すること)が20%だと仮定して、当初仮条件の中央値である31.5ドルから想定株価を逆算すると39.4ドルとなる。したがって、最終的に決められた38ドルという公開価格はほぼ想定株価に等しいレベル、つまり、IPOディスカウントはほとんどナシという設定にしたと思われる。

 それが結局、情報開示の不備などがニュースで報じられた結果、IPOディスカウントを適用したレベルに株価が収束して来たということであろう。従って、今の市場での株価は、IPOの仕切り直しと考えればよい。