株式レポート
2012年6月4日 マネックス証券

一時的な減速に止まらない雇用市場~ 3ヶ月連続のネガティブサプライズ~ - 米経済の「今」を読む -経済指標動向-

先週末に発表された5月の米雇用統計では、注目度の高い非農業部門雇用者数の増加幅が市場予想を大幅に下回る結果となった(市場予想:前月比+15.0万人増 → 実績:+6.9万人増)。市場予想を大きく下回るネガティブサプライズは3ヶ月連続。3-4月の実績も大きく下方修正(3月:+15.4万人増 → +14.3万人増、4月:+11.5万人増 → +7.7万人増)され、雇用市場の減速を鮮明に示す結果となった。

セクター別には、引き続き建設業などの一部セクターに暖冬からの反動減と見られる動き(前月比 2.8万人減)があり雇用者の増加幅を押し下げた面もあるが、減速は幅広い業種に広がっている。たとえば、これまで2年以上雇用増加が続いていた企業向けサービス(会計士など)が減少(同0.1万人減)に転じたことなどが影響して、サービス業の増加幅は年初から半減(同+9.7万人増)。また、製造業でも年初の増加ペースから大幅に減速(同+1.2万人増)しており、雇用市場の低迷は暖冬後の反動減など一時的な特殊要因だけでは説明できない。

これらを踏まえると、今後の米雇用情勢には期待を持ちにくいだろう。より速報性の高い新規失業保険申請件数(週次統計)では、5月後半にかけて新たな失業者数が増加する兆しが確認されていることも先行きに対する懸念材料だ。雇用市場の低迷が続けば消費者センチメントや国内需要などに波及するリスクも考えられる。




マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 戸澤 正樹