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2019年3月11日 フィスコ

日本仮想通貨ビジネス協会、ICO規制に関する提言を公表【フィスコ・ビットコインニュース】

仮想通貨ビジネスの健全な発展を目指す会員組織「日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)」は8日、ICO(イニシャル・コイン・オファリング、仮想通貨技術を使った資金調達)規制について提言した資料「新たなICO規制についての提言」を公開した。
同協会は仮想通貨に関わる事業者の団体としての立場から、ICOに関する法規制のあるべき姿を目指すという観点に立ち、昨年末にICO検討部会を立ち上げた。その後、計3回議論を重ねており、今回は金融庁が公表した「仮想通貨交換業等に関する研究会報告書」における「ICOへの対応」を踏まえつつ、検討部会での議論を基に、あるべきICO規制について提言したとしている。

同協会はまず、「仮想通貨の新規取り扱いの再開」について、仮想通貨交換業者が取り扱うことのできる仮想通貨は、約1年間変更されていないとして、「既に海外で取り扱いがされているアルトコインやICOトークンの国内での新規取り扱いが再開されるよう、論点を整理する機会を是非とも早期にいただきたい」と述べている。

ステーブルコイン(価格安定型の仮想通貨)については、現状、日本では法規制の枠組みが不明確であるが、仮想通貨と同様の技術的基盤に基づいて発行されていることや、海外では主に仮想通貨取引所で取引されていることを踏まえれば、取引の際のリスクや利用者保護は仮想通貨と同様だとした。このため、同協会はステーブルコインを仮想通貨として法的に分類することが適切と考えている。

金融商品取引法の規制対象となるセキュリティトークンについては、一項有価証券に該当するのか二項有価証券に該当するのかは明確化が必要と述べているほか、金商法と資金決済法による二重規制を回避するため、資金決済法の適用除外とする規定が必要と指摘している。

また、セキュリティトークンも仮想通貨と同様のリスクを有するとして、自主規制団体が主体となって具体的な自主規制を設けることが望ましいとみている。加えて、セキュリティトークンは有価証券に該当するため、有価証券に関する知見の深い日本証券業協会と、日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)がセキュリティトークンの自主規制について協力し合うことが望ましいとしている。

本題のICOトークンについては、「新たな資金調達手段として、我が国の産業発展を促すものとなる可能性があることを踏まえると、利用者保護の観点からリスクが小さいものについてまで、極めて厳格な規制を行い、事実上実施が不可能となることは望ましくないものと考える」と提言。続けて、投資性のないICOにも、投資的要素を勘案した規制が求められていることも踏まえると、STO(セキュリティ・トークン・オファリング)よりもさらに厳格な規制をICOについて課すことはバランスが悪いと指摘している。

また、発行体及びICOトークンについての情報は一義的に仮想通貨交換業者ではなく発行体自身が保有するため、仮想通貨交換業者に過度に重い義務(一定の調査義務や、詳細な情報提供義務)を課すことは妥当ではないと言及。そして、「そのような義務と責任を引き受けるためには、相当多額のフィーを発行体から求める必要がある」との見解を述べている。

小規模のICOは、日本では事実上取り扱われないこととなる可能性もあるが、同協会ではICOをイノベーション促進のための新たな資金調達手段として尊重したい考えを持っており、このため、小額募集については「資金決済法の適用除外とするか、あるいは、交換業者の負う義務の一定の軽減を行う必要がある」と伝えている。

最後に、現状の会計基準では、自己の発行した仮想通貨(ICOに相当)に関する会計処理等の取扱いが明らかにされていないことに言及し、「今後、法整備を踏まえてICOの件数が増加することを想定した場合、国際的な議論を勘案しつつ、会計処理等の考え方について整理されることが望まれる」と、会計基準の明確化を求めた。