最下層からの成り上がり投資術!
2019年10月8日 藤井 英敏

日経平均株価は、当面2万930〜2万2256円の間を
推移! 10月10日からの米中貿易協議で合意に至れば
「外需株」が、不調に終われば「内需株」が狙い目!

 米国は、貿易問題を巡る中国との閣僚級協議を10月10〜11日にワシントンで開きます。これは足元の株式市場にとっては、最大の関心事であり、最重要イベントです。このため、7日の東証1部の売買代金は1兆5251億円と、9月3日以来、約1カ月ぶりの低水準でした。多くの投資家が、この協議を前に様子見を決め込み、積極的な売買を手控えた結果です。

 なお、この日は、「中国の当局者が、トランプ米大統領が求める幅広い通商協定に合意することに一段と消極的な姿勢を示している」との報道が警戒材料になりました。

 その後も、米中貿易協議に関してさまざまな報道がなされています。

 例えば、「中国は米国との通商協議では可能な部分で合意を取りまとめ、より困難な問題は来年に交渉する工程表を作成する用意がある」との報道があったようです。一方、トランプ米大統領は10月7日、中国との部分的な貿易合意は「われわれの望むものではない」、「私は大きな取引をまとめることに傾いている」と説明したと伝わっています。

米中貿易会議が不調に終わって相場が急落したら、
「押し目買い」のチャンス!

 今回の協議において、両国間でなんらかの合意形成がなされない場合、米政権は10月15日、2500億ドル分の中国製品への追加関税を現在の25%から30%に引き上げる予定です。その場合、市場は大いに失望し、ボラタイルな動きになることが危惧されます

 ただし、瞬間的に急落した場合は、そこは「押し目買い好機」になるとみています

 というのは、トランプ政権も習近平政権も、政権維持のためには景気・経済が最優先事項のはずだからです。そのため、今回のように冷却期間(協議中断)を作りながらも、景気・経済を悪化させずに協議を継続し、最終的に落ち着くべきところで決着すると考えます。

 ただし、その過程では紆余曲折があるでしょう。当然、投資マインドも揺れ動き、市場も右往左往する見通しです。ですが、米中は共に、自国経済を壊してでも、貿易戦争をする気はないという前提で相場に臨むべきだと思います

米雇用統計で、米国の労働市場は堅調であると確認!
円高傾向が日経平均株価の上値抑制要因に

 米国の景気に関しては、先週までやや警戒ムードが強まっていました。というのは、非常に弱い経済指標の発表が相次いだからです。

 具体的には、10月1日に発表されたISMの9月の製造業景況感指数が、前月比1.3ポイント低下の47.8と、2009年6月以来、10年3カ月ぶりの低水準となり、好不況の境目となる50を2カ月連続で割り込んだだけでなく、市場予想の50.1も下回りました。そして、2日発表の9月のADP全米雇用リポートでは、非農業部門の雇用者数が13万5000人増と、8月の15万7000人増から伸び悩み、8月分も大幅に下方修正されました。さらに、3日発表の9月のISM非製造業景況感指数は、52.6と3年ぶりの低水準となり、市場予想の55.3程度も下回りました。

 しかしながら、週末10月4日に発表された9月の米雇用統計で、その不安感が大幅に低下しました。というのは、非農業部門雇用者数が前月比13.6万増と、市場予想の約14.5万人増を下回ったものの、7~8月分が計4万人あまり上方修正されました。また、失業率が前月比0.2ポイント低下の3.5%と50年ぶりの低さを記録しました。

 これで、米国の労働市場は堅調であることが確認されたからです

 ただし、平均時給伸び率は、前年同月比2.9%と1年ぶりに3%を割りました。これで、FRBが利下げに動きやすくなるとの見方が強まっています。これは、米国景気及び米国株にとってはポジティブ材料です。

 しかしながら、この利下げ観測の強まりは、外国為替市場での金利面でのドル売り要因です。このため外国為替市場では、ドル/円相場が円高気味に振れています。これが日経平均株価の株価上値抑制要因になっているのです

国内景気の基調判断が4カ月ぶりに「悪化」するも、
米中貿易協議が成功して外需が回復すれば日経平均株価は上昇!

 一方、国内では、8月の景気動向指数で、国内景気の基調判断が4カ月ぶりに「悪化」となりました。これは、米中貿易問題の長期化を受けて外需が低迷し、製造業が減速していることが主因です。そして、消費税率が上がった10月以降は、キャッシュレス決済のポイント還元などの下支え効果は期待できるものの、個人消費も落ち込む可能性があります。

 それでも、岡田直樹官房副長官は、10月7日の記者会見で、「雇用・所得環境の改善、高い水準にある企業収益など、内需を支えるファンダメンタルズはしっかりしている」と述べています。これは、株式市場のコンセンサスとほぼ一致した見方だと考えます。

 つまり、今後の注目ポイントは外需の回復の有無です。その最大のカギが米中貿易戦争の行方なのです

 外需が回復すれば、我が国の製造業の収益回復期待が盛り上がり、日経平均株価などの株価指数を力強く押し上げることでしょう。よって、今回の米中協議が市場にとって好ましい結果になるようなら、外需株を買いましょう。一方、協議が不調なら内需株一択となりますね

現在の日経平均株価は、
上昇トレンドが継続する中での「踊り場」にある

 足元の日経平均株価については、現在は「調整局面」との認識です。目先天井は9月19日の2万2255.56円です。

■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 ただし、8月6日の2万110.76円を起点にした上昇トレンドは継続しているとみています。よって、現在は上昇トレンドが継続する中での「踊り場」と考えます。

 当面の押し目限界は、2万930.07円(8月6日の2万110.76円から9月19日の2万2255.56円までの上げ幅に対する61.8%押し水準)と考えています。一方、上値メドは2万2255.56円です

今は、機関投資家の買いが見込めない
個人の関与率の高い銘柄はアンタッチャブルで!

 最後に、市場関係者へのヒアリングベースでは、足元の個人投資家の活性度は一向に上がっていないようです。9月に盛り上がったゲーム株も、一部の銘柄を除き、失速しています。その後、多くの個人投資家が共感し、乗りやすい「新たに柱になるようなテーマ」は浮上していません。

 このため、信用取引を積極的に活用して短期売買を行う「アクティブ個人」の相場の体感温度も低いままなのでしょう。よって、国内外の機関投資家の買いが見込めない、個人の関与率の高い銘柄はアンタッチャブルです。

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