株式レポート
2012年7月23日 マネックス証券

膠着状態の米国株〜調整リスクに警戒〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

・ギリシャ総選挙が行われた6月中旬からほぼ1ヶ月が経過したが、米国株(ダウ平均株価)は12,500〜12,900ドルの狭いレンジでの膠着状態となっている。欧州債務問題への思惑が揺れ動く中で、「金融緩和策への期待」と「景気減速への懸念」が入り混じり、方向感が定まらない状況が続いている(グラフ参照)。


7月17日のレポートなどでお伝えしているが、米国経済は成長のけん引役である個人消費を含めて減速している。これが米国の企業業績に及ぼす影響が今後一段と明らかになり、株価の下押し材料になるとみられる。ロイターによる集計では、金融を除くS&P500対象社の4―6月一株利益は前年比小幅減とほぼ事前の予想通りに止まっているが、今週の決算発表で下方修正されるリスクを想定したい。

・先週発表された、足元の米国の経済指標を振り返ると、7月分の地区連銀による景況サーベイはいずれも前月からやや持ち直したが、春先からの悪化基調が変わったとは言いがたい(グラフ参照)。7月分のISM製造業景況感指数も50割れが続くとみられる。


・また、新規失業申請件数も再び悪化しており、労働市場の減速傾向も変わっていない。このままだと、4ヶ月連続で雇用者数の伸びは10万人を下回るだろう。であれば、2011年の夏場よりも、労働市場の減速が長期化することになる。

・もちろん、景気減速が鮮明になればFRBは量的緩和策に踏み切るだろうし、それが2010年同様、米国株底入れの転換点になるシナリオも考えられる。ただ、FRBが量的緩和の決断を下すまでにはやや時間を要するとみられる。景気減速が続く中でFRBが期待に応えられない時間帯は、米国株市場にとって最も危険なフェーズになる恐れがある。


(チーフ・エコノミスト 村上尚己)